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Dr.新原の健康講座

2018年4月19日 木曜日 11:00

疲労骨折の話

「疲労骨折による故障が理由で、運動選手が休暇を必要とする」などと時々聞きます。この骨折はストレス骨折とも言われています。ある何かの出来事のために起きる一般的な骨折とは違い、特徴として骨の一部に運動などで繰り返し負担をかけるため、少しずつ骨が壊れるものです。症状は、他の骨折と同じで痛みがありますが、多くの場合症状が出る頃には、レントゲンに写るほどのひびが入っています。骨折の起こりやすい部分は、体の重みのかかる腰の辺り、足の膝から足首にかけて、そして足の指の付け根よりやや下の辺りです。

この疾患の難しいところは、症状があまりはっきりと現れないことです。足の骨が影響している場合、少し歩くぐらいではそれほど痛みを感じないこともしばしばです。しかし、走り出したりすると徐々に痛みがひどくなり、走り終わった時に最もひどい痛みが始まると言われています。このような痛みを感じるようになったら、運動選手などは一刻も早く診察を受け、治療に専念すべきです。疲労骨折の初期は治りやすく、合併症もほとんどありませんが、それを放っておくなどして痛みを我慢し無理を続けると、選手生命が危うくなる恐れがあります。言うまでもありませんが、これは運動選手だけに限ったことではありません。外での仕事が多い方、体の一箇所に連続的に負担がかかるなどの力仕事の方、健康のためにジョギングや散歩を定期的に行っている方など、それぞれが疲労骨折を心得ておくべきでしょう。

治療として大切なのは、骨折している骨に対する負担をとりあえず減らすことです。時にはギブスなど骨を固定させることが必要となる場合もあります。足に骨折がある場合、できるだけ足の痛みを和らげられる靴を選ぶことが大切です。靴が足の骨折の負担を補ってくれる良いものであれば、軽症の疲労骨折なら大抵の場合、軽く歩いたりするのは可能です。

とにかく重要なのは、痛みを感じるような状態になったらそれを無視せず、痛みの原因をきちんと調べることです。もし上記のような痛みがある場合は、主治医の診察を受け、レントゲン写真を撮ってもらってください。時には骨折が見つかりにくく、特殊な検査が必要となる場合もあります。痛みを無視したために骨折が進むと、手術を要することもあるので気をつけてください。合併症が起きると他の疾患と同じように、事態をより深刻にしてしまいます。

予防としては、これは逆説にも聞こえますが、疲労骨折を起こしやすい骨に適度のストレスを繰り返しかけることです。そうすることにより骨が強くなります。骨を支える筋肉をつくるための運動も大切です。それではまた。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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