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Dr.新原の健康講座

2013年3月1日 金曜日 00:00

寒さと病気の話

 人間は熱を出す生き物で大体体温を摂氏36.5から37度ぐらいを保っております。当たり前ですが通常は服を着ているので体温より摂氏11度から15度くらい低めで適当に湿度のある気候が過ごしやすいといわれています。あまり暑すぎても寒すぎても体にそれなりの負担がかかります。
 さて今回は寒さに焦点を置いて少しお話をします。
 よく寒さと飢えの辛さを語った物語などが多いですが、いったい寒さとは私達の健康状態にどのような影響を及ぼすのでしょうか。まずは風邪、寒い気候の時には風邪またはインフルエンザになりやすいのは皆様の知ってのとおりです。どちらもウィルスによる感染病ですが、冬にかかりやすい理由の一つとして考えられるのは乾いた空気です。乾燥した空気の中では鼻や喉の粘膜も乾いてしまい、外からの病原菌の進入を防ぐのが難しくなりますので、うがいや加湿器などでの予防が効くようです。外出などの後には手をよく洗うことも大切です。そしてまた体が冷え込みますと血液の循環能力が低下して免疫関係の細胞が体中を十分に動き回れなくなることも関係があるようです。適度の運動をして血液の循環をよく保ちたいものです。
 その次によく心配されるのは、脳卒中と心臓疾患を含む循環器系の病気です。寒くなりますと体温が下がるのを防ぐために血管が収縮して血圧の上昇につながります。そうしますと、上記の疾患に侵されやすくなります。11月の半ばから春先にかけて脳卒中の発生率は高くなります。特に寒波が4~5日続いた後に多いようです。
心臓発作なども典型的なケースは、お腹一杯に食事をした後、寒い中を散歩したときに胸に異常を感じるというシナリオです。その他、寒さというのは体のあらゆる部分に影響します。皮膚、腎臓、膀胱、目など、一つひとつ挙げていきますときりがありません。こう書きますと、寒さとはとても恐ろしいような気がしますね。しかし人間の体はとてもよく出来ていまして結構過激なストレスにも耐えられるようになっております。でもわざわざ頻繁に、ストレスにかける必要はないですよね。たとえば、自動車にしても普通の運転では必要のないような機能が多く積み込まれておりますが、そのような機能に頼り頻繁に無理を車にかければ新車でも早く壊れてしまいます。少し弱いところのある車でしたら余計です。私達の体や体力は人それぞれですが、寒さなどによる必要以上のストレスをかけるのは非常事態のときと他にどうしようもないときだけにしたいものです。(本当に、当たり前のことですが、)寒いときは、適当な服装で適当な温度と湿度の部屋にいるのがよいでしょう。ちなみに、適当な湿度とは個々の好み、また体質の違いによりある程度のばらつきがありますが40%から60%ぐらいです。適当な運動もお勧めです。運動は熱をつくりますので、寒さの対処としてはとてもよいですし、体の循環もよくします。ただ注意していただきたいのは、部屋の中ではなく外の寒い中で運動をして、汗をかいたときそのまま寒い場所に居続けないことです。かえって体を冷やしてしまいます。それと心臓など循環器系の疾患のある方は寒いときに外での運動は、避けたほうがよいです。それは散歩程度でもです。どうしてもという場合は主治医の先生によく相談してみてください。
 寒さと上手につきあってよい冬をお過ごしください。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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