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Dr.新原の健康講座

2020年6月18日 木曜日 09:27

新型コロナウイルスとは③

新型コロナウイルスに感染すると潜伏期間の後、倦怠感、熱、咳などの症状が診られるのですが、ほとんどの場合、症状は比較的軽く、家での休養が一番の治療とされております。中には症状が軽いため、感染していることも全く気付かずに普通に生活されておられる方もいることが最近の調査で明らかになってきております。

しかし一部の方々、特に慢性の持病を患われている方々、は感染が肺にまでわたり、重態に陥いる可能性が高いため、それらの方々にこのウィルスを伝染しないようにすることが感染対策の一番大切な点です。

新型コロナウイルスに感染した場合、現在可能な主な治療法を簡単にまとめてみました。

 

≪症状の軽い方≫

家での療養と熱や筋肉痛などの症状を軽減するための治療が主体となります。市販の痛み止め、炎症止めの薬が多く使われます。

≪呼吸に困難を感じる方々≫

この症状は、最初は軽くても進行がとても速い場合がありますので、できるだけ早く、医療機関に連絡してください。酸素などによるサポートが必要となります。状態が進行した場合、特殊な酸素マスクを必要とする場合があります。特殊な酸素マスクでも間に合わなくなりますと、人工呼吸器に切り替えられます。人工呼吸器を必要とする場合は麻酔を使い意図的に無意識状態で治療することになり、体に負担がかかりすぎると判断された場合には人工心肺装置を使うようになったケースもあります。人工心肺装置は血液を心臓と肺からバイパスし、酸素が直接血液に送られるようにする機械です。心臓手術などで良く使われます。

現在の治療法としては、症状を抑え、不全となった肺などの臓器をサポートしながら、体が自力で回復するのを待つのが一般となっております。

 

【薬】

➀クロロキンと言う抗マラリア剤が新型コロナウイルスに効くとの小規模論文がいくつか出され、それをベースに米国での治療のために緊急使用許可が出されました。しかし、その後に発表された国立衛生研究局(NIH)のデータレポートによると効果はまだ証明できず、心臓などへの副作用が問題とされております。

②Remdesivirと言う抗ウィルス剤が新型コロナウイルスの感染を動物実験で効果的に抑えるとのデータが出ており、その有効性が期待されておりますが、まだ最終的な結論は出ておりません。

③新型コロナウイルスの合併症に血栓があります。そのため、重症な方々への定期的な抗凝血剤の使用の必要性も話し合われております。

【薬剤以外の治療】

➀以前感染され、回復された方の血清に含まれる抗体が新型コロナウイルスを撃退するとの仮説のもと、それらの血清治療を数人の方々が試験的に受けられました。それにより危篤な状態から回復することができたとのレポートが出始めております。最終的な結論には至っておりません。

②ワクチンを現在多くのの製薬会社が開発しております。これが完成すれば、インフルエンザのように、多くの方々が感染を防ぐことができ、また感染された方々の治療にも役立つことでしょう。ワクチンの完成にはまだ12か月から18か月を要すると報告されております。

 

新型コロナウイルス(COVID-19)は発見されてまだ日が浅く、対応法が研究されているのが現状です。しかしこれに対する理解は日々高まっており、しっかりとした予防、治療などの対策事項によりこの病気を社会的に屈服できる日もそれほど遠くはないのではと思い願っております。

皆様、どうぞくれぐれもお気をつけください。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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