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Dr.新原の健康講座

2020年3月24日 火曜日 09:27

頭痛の話

大半の方は頭痛を経験された事がおありだと思います。頭痛の苦しさはそれがある時はとても辛く、それが消えた時のうれしさは快感と言えるぐらいありがたいものです。

さて、私たち一概に頭痛と言いますが、これにも種類が多くあり様々な原因により起こります。特に皆様に知って頂きたい大切な点は、頭痛にはとても痛くても大事に至らないもの、軽い痛みだけれども深刻な疾患の表れとなっているものがあるという事です。

まずあまり大事には至る可能性は少ないけれども、とても辛い頭痛についてお話してみましょう。それらの代表的なのが片頭痛、群発頭痛、筋緊張性頭痛です。はじめの二つは血管が拡張するのが原因であるとされています。セロトニン等分泌物のバランスの変化又は三叉神経に対する刺激で起こると理解されています。

偏頭痛に関しては名前の通り頭の片方半分に痛みを感じられる時が多く、ズキン、ズキンと脈打つような痛みを伴います。痛みの引き金となるのは明るい光が目に入ってきた時、激しい運動を終え一息つく時などです。痛みが続くのは数時間から多くも数日がほとんどです。

それに比べ群発頭痛の方は年に一度か二度、毎日続けて一月ぐらい群発的に起こり痛みも片方とは限らず涙、鼻水、瞳孔の縮小などの症状が伴う事が多いです。

筋緊張性頭痛は肉体的又は精神的ストレス等による筋肉の緊張によるものです。どれも臓器などには直接ダメージの無いものですが、痛みはとてもひどいので、医師の診察を受け適切な処方をしていただく事をお勧めいたします。

次に生命に危険のある頭痛の兆候です。1)高齢になられて初めて頭痛を経験される、2)朝末明から頭痛がある、3)持続性があり日を増すにつれて少しずつひどくなっていく頭痛、これらは、頭蓋骨内に圧迫がある事を促しています。硬膜内外の出血、脳梗塞、脳腫瘍などの疑いももたれますので、できるだけ早く診察を受けてください。特に神経症状、精神症状を伴うものはずぐに救急室などで見て頂いて下さい。これにはてんかん、急に周りの事が良く分からなくなった、車の運転が怖くなった等という症状も含まれます。

危険兆候の一つで典型的なのが急激に起こる今までに経験した事が無い、ひどい割れるような頭の痛みです。この場合、神経症が伴っていても伴わなくてもくも膜下出血の疑いがあります。

発熱、発疹を伴う頭痛も特に子供の場合は危険です。脳炎や脳髄膜炎の恐れがありますのですぐ診て頂いて下さい。高血圧も頭痛の原因です。今日はこのへんで。

2020年2月20日 木曜日 11:08

深呼吸の話

長い間座って仕事をしている時、思い出したように深呼吸をする時があります。そうすると、体がすっきりして、頭の回転も少し速くなるように気がします。これは気のせいではありません。正しい呼吸は健康を維持するためにとても大切なのです。

最近では、呼吸を基礎にした健康法がいくつもあり、多くの「呼吸専門家」たちによって伝えられ、教えられています。私はそのような「呼吸専門家」ではありませんが、今回は医学的に立証されている、深呼吸の効果を挙げながら、それの大切さをお話してみましょう。

深呼吸をすると、まず肺を開きます。私たちは長い間座っていたり、猫背にしていると、肺の一部分を閉じたままにしている状態を作ってしまいます。健康な人は肺は50%も使わなくても体に十分な酸素を吸い込むことができるので、そんな状態でも、別に息苦しくもなく、普通に活動できます。しかし、それが長く続くと使われてない部分の肺機能が弱くなってしまいます。その上、肺炎にもかかりやすくなります。ですので、定期的に肺全体を思い切り広げてあげることが大切です。でも深呼吸は頻繁にできるものでもありません。深呼吸ばかりしていると、呼吸のバランスが取れなくなり、体内の酸素と二酸化炭素などの比率が崩れ、頭がふらふらしてくるでしょう。深呼吸は激しい運動をしていない限り、一時間に数回で十分です。

深呼吸で肺を開くと、そこを通る血管も拡張し、体全体の血行がよくなります。これは心臓をはじめ、体中の臓器に良い結果をもたらせます。机に向かった仕事のお蔭で少し眠くなったりするときも、血行の促進により、頭がすっきりとした気分になります。

もう一つ、おもしろいのは、深呼吸をするとエンドルフィンは分泌されます。エンドルフィンというのは、体の細胞をリラックスさせ壊れた部分の治癒を促す分泌物です。イライラしている時なども、深呼吸をすると心が少し落ち着き、穏やかな気持ちになるのもそのエンドルフィンの効果が関係していると思います。

エンドルフィンの効果を一番分かりやすく感じられるのは、息を大きく吸い込んでから少しの間息を止め、数秒後に息をスーッと吐き出す時です。その時体がふわーっとした気持ちになりますが、それはエンドルフィンのおかげだといわれています。私も時々、ストレスが溜まった時など試しますが、体も心もすっきりとするような気がします。

呼吸法は身近にある健康法の手段ですね。皆さんもストレスが溜まったりデクスワークに疲れたとき、深呼吸をする習慣をつけてみませんか。

2020年1月21日 火曜日 11:14

ドライアイの話

ドライアイ「乾き目」は涙の出る量が減ることにより起こる現象ですが、症状は軽い目の違和感から瞬きをするのも痛むほどの重症まであります。

涙というと、主に感情の表れの対象のようにも思われがちですが、目の健康のためにとても欠かせないものです。涙は、血管のない角膜やその他の部分に栄養素を運び、目に入ってくるごみやほこりを常に掃除してくれます。その上、目の動きのスムーズさを保てるように潤滑液としても大きな働きをしています。涙の成分はほとんど生理食塩水と同じですが、深く分析しますともっと複雑で、現在の医学でも分析しきれないところがまだまだある神秘的な液体です。この涙の量がある程度減りますと、違和感だけでは済まず、実際に目を傷つけ目の健康を危うい状態にします。「乾き目」の重症なケースでは失明する可能性もあります。

原因は環境による影響から自己免疫症まで様々ですが、何が原因であっても言うまでもなく「乾き目」は出来るだけ早く対処しなければなりません。目が乾く時はとりあえず「乾き目」用の目薬などを頻繁に点眼して下さい。その上で原因を調べ、根本的な治療ができるようにされるのが理想的です。

環境の原因は湿度の低下です。ヒーターの入った部屋、寒くて乾いた冬の空気などは目の乾きを促します。加湿器や目薬を使い、それに対応して下さい。女性の場合、閉経期に入りますとエストロゲンの低下に伴い涙の量も減ります。これは病気ではありませんが、この状態は乾いた空気の中では特に「乾き目」を起こしやすいので、目薬の点眼を心がけて下さい。コンピューターの画面も長時間見ていると「乾き目」の原因になりますので適当に目を休め、必要に応じて目薬を点眼して下さい。

少し厄介な原因はショーグレン症候群という疾患で、それは涙腺を傷めます。この疾患こそ重度な場合、失明をもたらすことがあります。「乾き目」が感じられる時はこのような原因の可能性もあるので、とりあえず医療機関での検査をお勧めします。

涙があるのは当たり前のように思ってしまいますね。しかし、そのように当たり前に思われる体の成分の一つ一つの大切さを時々思い起こし、それがあることを感謝するのも健康維持の秘訣なのかもしれませんね。

2019年12月17日 火曜日 11:14

冷え性の話

寒くなると、「手足が冷たい」「凍りそうだ」「どうしたらいいのでしょうか?」と悩まれて、アドバイスを求められることがあります。中には深刻に、「冷たさが痛みに変わってきた」「しびれる」など、とても心配になる症状で苦しまれる方も少なくありません。

これらは冷え性の症状ですが、西洋医学では、「冷え性」という診断はありません。ですので、アメリカでお医者さんにアドバイスを求める時、あまり真剣に扱っていただけない可能性もあります。持論で申し訳ないのですが、このようなところに西洋医学の足りなさを感じます。それだけ、人間の体と機能、そしてそれを侵す病気というものは複雑だということでしょうか。私の個人的な意見としては、西洋医学にしても東洋医学にしても、お互いの足りなさを認め、補充できるところは補充し合いながら、患者さんの必要をまず優先して用いられるのが理想だと思います。

本題の冷え性に戻りましょう。まず原因です。この患者は男女にみられますが、発生率は比較的女性に多いです。男女の筋肉の大きさの差が関係していると考えられています。体脂肪は体温を体の中に保つのですが、筋肉のように熱を発しません。筋肉は血流も多く、熱を発散し、内側から体を温めるので、筋肉が少ないといくら脂肪があっても内側に保つ体温が減ります。

もう一つの原因は、ホルモンなどに影響される自律神経の血流のコントロールだと言われています。寒くなると、抹消血管は体温を外に逃がさないために縮むのですが、そのために低温にさらされている四肢が、一番冷たくなります。それに加え、指先の神経は特に繊細ですので、寒さを余計に感じるのかもしれません。冷え性自体はある意味、体を寒さから守る反応と考えられます。しかし、冷たさを感じる、痛みを感じるというのは、それに対して何かをしなさいという体からの信号です。それを無視すると、神経や皮膚に問題を起こす可能性もあります。

簡単な対応としては、手足をはじめ、体全体を温めることです。血管を拡張させる薬なども少しは効果はありますが、体を温めることが一番、体が必要とする対処法でしょう。東洋医学では漢方を使いますね。どうしても寒さの中で一定の時間過ごさないといけない場合は、四肢、そして体全体を十分に温かくできる服装を着用して下さい。使い捨ての薄いカイロを手袋や靴下の中に置くのも良いと思います。ある程度寒い時でも、十分な栄養をとり、防寒をしっかりとした服装をした上で体を動かせば、筋肉から熱が出るので、しだいに四肢も温まるはずです。

それでは。

Merry Christmas!

2019年11月21日 木曜日 11:15

寒さと病気の話

人間は熱を出す生き物で大体体温を摂氏36.5から37度ぐらいを保っております。当たり前ですが通常は服を着ているので体温より摂氏11度から15度くらい低めで適当に湿度のある気候が過ごしやすいといわれています。あまり暑すぎても寒すぎても体にそれなりの負担がかかります。
さて今回は寒さに焦点を置いて少しお話をします。
よく昔の物語で、寒さと飢えのつらさを語ったものがありますが、いったい寒さとは私たちの健康状態にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

まずは風邪、寒い気候の時には風邪またはインフルエンザになりやすいのは皆様の知ってのとおりです。どちらもウィルスによる感染病ですが、冬にかかりやすい理由の一つとして考えられるのは乾いた空気です。乾燥した空気の中では鼻や喉の粘膜も乾いてしまい、外からの病原菌の進入を防ぐのが難しくなりますので、うがいや加湿器などでの予防が効くようです。外出などの後には手をよく洗うことも大切です。そしてまた体が冷え込みますと血液の循環能力が低下して免疫関係の細胞が体中を十分に動き回れなくなることも関係があるようです。適度の運動をして血液の循環をよく保ちたいものです。

その次によく心配されるのは、脳卒中と心臓疾患を含む循環器系の病気です。寒くなりますと体温が下がるのを防ぐために血管が収縮して血圧の上昇につながります。そうしますと、上記の疾患に侵されやすくなります。11月の半ばから春先にかけて脳卒中の発生率は高くなります。特に寒波が4~5日続いた後に多いようです。
心臓発作なども典型的なケースは、お腹一杯に食事をした後、寒い中を散歩したときに胸に異常を感じるというシナリオです。その他、寒さというのは体のあらゆる部分に影響します。皮膚、腎臓、膀胱、目など、一つひとつ挙げていきますときりがありません。こう書きますと、寒さとはとても恐ろしいような気がしますね。

しかし人間の体はとてもよく出来ていまして結構過激なストレスにも耐えられるようになっております。でもわざわざ頻繁に、ストレスにかける必要はないですよね。たとえば、自動車にしても普通の運転では必要のないような機能が多く積み込まれておりますが、そのような機能に頼り頻繁に無理を車にかければ新車でも早く壊れてしまいます。私たちの体や体力は人それぞれですが、寒さなどによる必要以上のストレスをかけるのは非常事態のときと他にどうしようもないときだけにしたいものです。(当たり前のことですが)

寒いときは、適当な服装で適当な温度と湿度の部屋にいるのがよいでしょう。ちなみに、適当な湿度とは40%から60%ぐらいです。また、適度な運動がお勧めです。運動は熱をつくりますので、寒さの対処としてはとてもよいですし、体の循環もよくします。ただ注意していただきたいのは、部屋の中ではなく外の寒い中で運動をして、汗をかいたときそのまま寒い場所に居続けないことです。かえって体を冷やしてしまいます。それと心臓など循環器系の疾患のある方は寒いときに外での運動は、避けたほうがよいです。それは散歩程度でもです。どうしてもという場合は主治医の先生によく相談してみてください。
寒さと上手につきあってよい冬をお過ごしください。

2019年10月18日 金曜日 13:35

痛風の話

痛い風と書いて痛風ですね。いつ聞いても本当に痛そうな名前です。私自身はまだ経験したことはないのですが、患者さんに聞くところによりますと、とにかく痛い疾患で、激痛が突如現れるそうです。幸い、正しい治療により激痛を止め、再発を防ぐことはほとんどの場合十分可能です。

ところで痛風とは、一体どういう原因で起こり、どういう症状を伴う病気なのでしょうか?もうすでに経験済みでご存知の方も多いと思いますが、今回はこの痛風についてもう少し詳しくお話してみましょう。この病気は、体の中で核酸が代謝されてできる尿酸の血中濃度が高くなることにより起こるものです。尿酸の体内での溜まりやすさというのは個人差があります。しかし、全体的に見て女性よりも男性の方が、尿酸の血中濃度がだいぶ高くなりやすいです。これは男性ホルモンが核酸の代謝にかかわっているためです。統計的に見ますと、痛風になる確率は成人した男性が女性に比べて9倍ぐらい高く、プリンという種類の核酸に含まれる成分を多く摂るほどなる確率も高くなるようです。

難しい話になってしまいましたが、ここからはもう少し私達の身近な話に戻りましょうね。

まず、突如来る激痛を伴う腫れですが、足の親指の付け根に来るのが典型的なパターンです。しかしそこだけに限られた訳ではなく、他のあらゆる関節、その他の組織にも出ます。こうなるのは、尿酸の血中濃度がある値を超えますと、尿酸は関節内で結晶化され、針のようにとがった固体となるため、周りの組織を傷めつけ炎症させるからです。結晶のよくできる部分は、関節のじん帯、アキレス腱などの筋肉の腱、軟骨等です。

腫れる時は本当に真っ赤に熱を含み、痛々しいのがよくわかりますが、そうなってしまった時はまず炎症を抑えることです。これには市販されているイブプロフェン等の抗炎症剤も効きます。アスピリンはこの病気に関しては、逆効果になることがありますのでお勧めできません。氷水などを使って冷やしても良いでしょう。

できれば応急処置のあと、早く主治医の先生に診ていただいてください。この場合、処方でよく使われる抗炎症剤はコルチシンです。抗炎症剤は処方のものでも市販のものでも胃を荒らす恐れがありますので、食事または乳製品を摂取してから合わせてお使いください。炎症が下がりますと、次は尿酸の血中値を低く保つための薬を処方される事になるのが通常です。そうすることにより再発を防ぐことができます。尿酸値を低く保つための薬は、炎症のある間は避けるべきです。

その他、発病や再発を防ぐ方法として、食事の改善があります。肉・魚にはプリン系の核酸が多いので控えめに。果物・野菜類はある程度良いのですが、ほうれん草、アスパラガス、カリフラワー等は、比較的プリン系の核酸が多いので注意して下さい。お酒は身体を酸性にして脱水させ、痛風にもってこいの状態をつくってくれます。ですから特にお酒はお控え下さい。それでは今回はこの辺で。皆様の健康を祈っております。

2019年9月20日 金曜日 10:52

五十肩の話

私事ですが、50代も終盤にさしかかりました。これぐらいの歳になると知恵も性格もそれなりに立派になるものだと子供の頃思っておりましたが、別にそれほどのことはないようです。率直な感想としては、知恵も性格も子供の頃の延長で、あえて分かってきたことと言えば、自分の欠点の多さと、周りの方々に対して持つべき敬意の大切さでしょうか。それにしても、体力の低下と体のあちこちの故障は、よく目立つようになってきました。

と言うわけで、今回は50代にちなんで、五十肩についてお話させていただきます。これはやはり名前の通り、50代の同僚や患者さんによく見られます。この疾患の発症は、40代後半から50代前半にかけてです。皆様も多分、ご家族、お友達、またはご自身の経験などを通し、よくご存知かもしれませんが、典型的な症状は、初めに肩の関節に鈍痛が起こります。そしてそれが時が経つにつれ、徐々に激痛に変わっていきます。痛みは肩の動きと腕の位置に左右され、腕を上げる時や背中の方へ持っていく時に一番激しいようです。痛みがピークに達すると、腕を思うように動かせなくなり、腕を動かす仕事、運動が全く出来なくなるので、相当不便です。

この痛みの原因は、肩の関節の部分の筋肉、腱、靭帯、骨、軟骨、関節包が高齢化のため縮み、そのため体がそれを補おうとして不自然な関節の動きを促します。そのため肩の関節に無理が重なり、発症すると考えられています。片方の肩だけが発症する場合もありますが、片方が良くなってきた頃、もう一方の方が痛くなり始めるケースも多くあります。

肩の痛みが始まりますと、痛みが頂点に達するのに数ヶ月かかります。そして、痛みの一番激しい期間は数週間ほどです。それが過ぎますと、痛みも徐々に和らぎ、痛みがなくなるまでには発症から一年ぐらいかかります。残念なことに痛みが始まると頂点に達するまでは、ほとんどの治療は効果がなく、リハビリなども痛みが和らぎ始めた時から、腕の動きが発症前までの状態に戻すためのものとなります。痛みのために出来る治療と言えば、痛み止めと炎症止めによる緩和ぐらいで、大切なのは無理に腕や肩を使おうとせずに、痛みの取れるのを忍耐強く待つことです。

診断は問診だけで大体は十分ですが、五十肩以外の疾患を見落とさないためにも、レントゲンなどの検査が必要になる時もあります。肩の痛みが感じられるようになりましたら、主治医に相談されますことをお勧めいたします。幸い、五十肩に関しましては、一度治りますと再発はほとんどありません。ですので、以前五十肩を経験したことのある方がまた痛み出したら、五十肩以外の疾患の可能性を重視しなければいけません。

五十肩、とても辛い面もありますが、ほとんどは時と共に治るものですので、症状が出てしまったらそれとうまく付き合いながら治るのをお待ち下さい。

それではまた。

2019年8月22日 木曜日 10:17

エコノミークラス症候群の話

今、飛行機の中でこの原稿を書いているのですが、よく聞かれるようになった病名の一つに”エコノミークラス症候群”がありますね。これは、足から心臓の右側に至る所までつながっている大きな静脈の中で、血液の循環が悪くなったため、血の塊ができてしまう事によって起こる病気です。静脈血管内で凝血を起こしますと動脈と違い、幸い細胞や組織の酸欠や壊死などはめったにありません。しかし、炎症を起こします。そして、その周りが腫れ、痛みを伴うようになります。最悪の場合、固まった血の塊が心臓右室を通り肺動脈までたどり着き、呼吸難や心不全などを起こし死に至ることもある、とてもバカにはできないのです。

もともと血液とは、一寸したことでも凝結して、怪我をした場合でも出血を最少限に抑えることができます。しかし、血管内にはいろいろな仕組みがあり、血が常に液体としての状態を保てるようにしております。ですので、考えて見ますと逆に、血管の中で血が固まらないということはとてもすごいことなのです。

血液が血管の中を常に川のように一つの方向へ向かって流れているということが、血が固まるのを防ぐ一つの条件です。狭い場所でジッとしていることが、また空気が乾いた所で十分に水分を取らないでいますと、血が濃くなり流れにくくなります。飛行機の中というのは、まさにその二つのコンディションが重なった場所ですね。言うまでもなく、別に飛行機の中でなくとも同じ様な状況は私たちの生活の中でよく見かけます。たとえば長期間のバスでの移動、自動車の遠乗り、家の中で動かずに長期間テレビを座って観ているときなどです。もちろん、そのような状態でも、”エコノミークラス症候群”はおこりえます。

予防としてできることは簡単ですし、多くあります。まずは、一時間に一度ぐらい、立つなどして足を伸ばし、動かすこと。足の筋肉がポンプのような動きをして血液を心臓へ向けて流してくれます。次に、水分を適度に取り、脱水を防ぐこと。水分の必要性は、健康な人とそうでない人では差がありますので、主治医の先生からアドバイスをいただいて下さい。それから、私の場合、長時間の飛行機旅行の前には、搭乗前にアスピリンを一錠飲みます。アスピリンは血小板の活性化を防ぎ、血栓などができにくくするからです。これも多くの方がすでにされていることですが、個人差がありますので、一応、使用前に主治医の先生と相談してください。

タバコは、たとえ一服でも血液をどろどろにしますので控えることをお勧めします。その他、糖尿病、ネフローゼ、高脂肪症などをはじめとする、多くの疾患は血を固まりやすくします。当てはまる方は、やはり主治医の先生方に相談してください。

それでは、この次の連載まで皆様の健康を願いつつ、又、私自身も注意して旅行してまいります。

2019年7月19日 金曜日 12:50

鼻血の話

だれもが経験されたことがあると思う鼻血ですが、これには様々な原因があります。しかし幸いとほとんどのケースは大事にいたるものではなく、簡単な応急処置ですみます。止血の処置として効果があるのは出血している場所への圧力です。鼻血の場合、鼻の真ん中ぐらいのところ(鼻の骨のすぐ下辺り)を押さえ、血が鼻孔から垂れてくるのを防ぎます。勿論、こうしても出血の位置が鼻のもっと奥であるのがほとんどですが、鼻孔から血が流れ出なくなっているので、鼻の中に血が溜まり、それが出血している場所への圧力となり、止血を促します。通常ですと5分から10分で鼻血は止まるはずです。鼻血が止まりましたら、まず血の塊を鼻から出してください。その際、鼻血が再発するときもあります。そのときはもう一度鼻の同じ場所を前回よりも少し長めに押さえてください。鼻血がとまりましたら、また鼻をかんで血の塊を出してあげてください。その後、血に汚れた鼻を水で洗いたくなると思いますが、止血を安定させるために10分から15分ほど待った方がよろしいです。

このような処置について皆様もよくご存じだと思われますが、そのようにした後でも出血が止まらない時は、医療機関に連絡してください。鼻血はほとんど、軽い鼻腔の粘膜の炎症や傷によるものです。しかし時には体の異常の危険信号でもあるので、異常に長時間続く出血、右左にかたよらずどちらの鼻孔からでも頻繁に起こる出血はしっかりと診療していただいてください。

深刻な原因なのですが、まず私が気になるのは、血の生産が問題になっている病気です。それには白血病をはじめ、あらゆる骨髄の病気が含まれます。それらの疾患は血小板という止血にはとても大切な成分が足りなくなるため、出血しやすくなり、また止血がとても難しくなります。その次に心配なのが高血圧です。血圧が高くなると粘膜の毛細血管にも圧力がかかります。粘膜は皮膚とくらべ毛細血管のまわりを防御する細胞があまりなく、大気にさらされている状態であるため壊れやすく、血圧が普通以上ですと比較的簡単に血管が破れ、出血してしまうのです。

他にも多くの原因がありますが、最後にもう一つお伝えしたいのは、血管の異常です。動脈と静脈とのつながりに問題があるとき、出血しやすくなります。出血が始まるとゆっくりと血がでる簡単な鼻血だと思えるのに、何時間も延々と続くときがあります。これは耳鼻科の先生にしっかりと治療していただかなければいけません。特に心臓や肺に問題のある方々に当てはまります。出血はそれらの臓器に多くの負担をかけるからです。おかしな話に聞こえるかもしれませんが、鼻血のために出血多量となり命に関わるような状態になった患者さんもおります。

「たかが鼻血、されど鼻血」

時には危険信号の一つであると心得てください。ではまた。

2019年6月20日 木曜日 16:10

疲労の話

私は、会議と言う名目でハワイに滞在することがありますが、以前訪問したニューヨークと対照的で気持ちがとてものんびりとして、毎日6ヶ月ぐらい寿命が伸びていくような気分です。

確かに、神経、筋肉、血管などが再生されているのを感じます。忙しくしているとき、身体がパンクしそうになっても気付かず、つい必要以上の無理を身体に強いていたのかもしれません。きっと読者の皆様の中には同調される方々もいらっしゃるのではないでしょうか。

働き盛りで仕事が良くできエネルギーいっぱいの方々は「今、ちょっと大変だけどまだ平気。それに今休めば会社が困る」と言い、身体の危険信号を無視していないでしょうか。

当たり前の事ですが、身体は確かに休養を必要とします。私たちは仕事で身体を使う他、食事をして栄養を取り廃棄物を出すのが不可欠です。私たちの身体の細胞一つ一つも同じで栄養素を吸収し、廃棄物を出し栄養素を使って古くなった細胞を新しい細胞を取替え、臓器の壊れた部分をつくろうという事を繰り返しています。無論これらをするのに時間がかかります。これらの事はエネルギー補給とメンテナンスのようなもので、それを怠ればいうまでも無く身体は消耗してしまいます。

過労による症状は循環器、神経系のものが多いです。高血圧、胸の痛み、息切れ、手や足のしびれなどが診られたら危険信号と思ってください。イライラや異常な疲労も見逃せない症状です。

糖尿病の気のある方は血糖がコントロールしにくくなる事もあります。又、多くの方々は過労によりうつ気味になる場合がよく診られます。うつを始めとし、症状の多くは本人が気付かない時、又は無視する時があるので、周りの方々のサポート、助言がとても大切です。

忙しすぎると思われる方々、過労の症状が診られる方々は是非休養を取られ主治医と相談してください。休養は何日も取るものでなくても一日でも半日でも定期的にとられる事をお勧めいたします。出来るだけ自然に近づきストレスなどを避けてください。ギャンブルなどはかえって過労をひどくする事が多いです。バランスの良い生活を営んでください。どんなに仕事が出来ても倒れてしまったらどうにもなりません。

最後に、怠慢も身体にはよくないです。でも時には忘れかけていた身近な楽しみも思い出してのんびりしてください。それでは、次回までAloha!

 

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

113-0033 東京都文京区本郷2-20-11 石飛ビル 1F TEL:03-6801-8250 / FAX:03-6801-6166
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