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Dr.新原の健康講座

2018年2月19日 月曜日 10:04

血尿の話

尿の色がおかしいなと思ったことはありませんでしょうか。尿の色は、透明からやや黄色がかったものが正常ですが、赤っぽかったり、コカ・コーラのように黒っぽかったり、時には茶色くなる場合もあります。当たり前のように見ている尿ですが、尿の色、中身を調べることにより健康状態がわかります。というわけで、今回は尿の病的変化の一つである、血尿についてお話してみましょう。

血尿というと、どうしても赤く染まった尿を想像してしまいますが、実はその大半は肉眼では見えない、少量の血を含んだものです。そうとは言え、肉眼で見えるものも少なくありません。そして、非肉眼的なものを合わせると、その頻度は私たちが考えている以上の数字です。ウィキペディアによりますと、「健康診断による潜血陽性率は大学生で4~5%、40代は男6%女10%、60代は男11%女24%、80代以上は男17%女29%である」というデータが表示されています。

原因としては様々な疾患が考えられますが、膀胱炎の占める比率はとても高いです。膀胱炎になりますと、炎症のため膀胱の粘膜から血が滲み出やすくなるからです。大抵の場合は非肉眼的ですが、尿の色がやけに濃くなったように見える場合もあります。そのほかに原因として考えられるのは、その他の尿路の疾患です。尿路というのは、腎臓、尿管、膀胱、尿道をひっくるめた体の部分を指し、いわゆる尿が作られてから、体の外に出るまでの道筋です。そこに起こる疾患には、腎臓結石、尿路の癌、腎臓系球体の炎症、嚢胞性腎疾患などがあります。

尿路以外でも血尿の原因は発生します。血液の赤血球は腎臓を通過できませんが、赤血球が血管内で壊れてしまったとき、その中身のヘモグロビンが腎臓経由で尿に混ざります。この現象を血管内溶血と言いますが、それは赤血球の異常、人工心臓弁によりあるいは長距離の徒歩やマラソンなどで起こります。ヘモグロビンが多量に混ざると、尿の色が前述のように、コカ・コーラのような色になります。家族性血尿という原因もありますが、この場合は遺伝的なもので、特別検査したり、治療を要する疾患はありません。

以前書かせていただきましたバイタルサインに引き続き、尿の変化は比較的見つけやすいものです。そして、それが体に起こり始めた病気を示すものである可能性があります。一時的な良性のものもありますが、検査をすることにより、原因の芽を取り去り、大きな事態にならずに済むことも多いです。

非肉眼的な尿の変化は、自分では見つけられません。しかし健診などでの尿検査のような、簡単なテストでもそれを分析することができ、とても多くの体に関する情報を与えてくれます。こう考えると、尿が出るというのは有難いことですね。少なくとも体の毒素を排出してくれ、その上、体の健康状態の目安としても役立ってくれます。

2018年1月19日 金曜日 11:07

輸血の話

献血をされた事があるでしょうか?多くの方の献血のお陰で、毎日たくさんの命が助けられています。私たち医療に関わっているものは、献血のお陰で命拾いしている方々を当たり前のように見ておりますが、そうできるのも自分の血液を見ず知らずの患者さんたちのために喜んで提供してくださる方々のお陰です。

献血に関する知識、それによる安全性はどんどん向上していて、それは献血をされるボランティアの選択から始まります。その昔献血を促すため、献血をされる方々にお礼金を差し上げていたこともありました。皆様もご存知だと思いますが、そうすると献血者としてあまり好ましくない人々を呼び込んでしまうので、そのようなやり方は数十年前に廃止されました。

今は献血をするにも、とても込み入ったアンケートに答え、患者さんが献血をするだけの体力があるか、また肝炎などにかかる危険因子があるかなどを調べます。それらの審査は結構難しく、アンケートだけでも多くの候補者が献血を許されないほどです。以前、狂牛病がヨーロッパで見つかり話題になったことがありますが、その頃はヨーロッパに最近数年以内の間に住んだことがあるというだけで、アメリカでは献血者として受け入れられない状態でした。せっかく人助けをしたいという方々がたくさん門前払いされているようで心苦しいですが、それほど輸血される血液は厳しく選ばれます。

アンケートで合格しますと採決をしますが、そこで今度は血液の一部が検査に送られ、数十目の分野において調べられます。特に厳しく検査されるのは、A・B・C型肝炎、HIVです。

まだ完全ではありませんが、お陰で最近では輸血によるそれらの感染率は1/100,000以下と言われています。一生の間、100,000回輸血を受けても、感染する可能性はほとんどないという計算です。血清などの輸血に関しては、検査された血液をさらに洗浄するため、感染する確率はほとんどないと言っていいほどです。

輸血を受ける時は大抵、命に関わる危険がある時です。以前はやや危険を伴っても、生きるチャンスを得るために輸血はされてきました。しかし、最近の輸血はとても安全になりました。万が一、ご自身や身近な人が輸血が必要となった時は、主治医の先生とよく相談をして、献血者に感謝しながら受けられることをお勧めいたします。どうしても納得がいかない時は、時間が許す限り、手術などを受ける時と同じようにセカンドオピニオンを求めることも決して遠慮する必要はありません。しかし緊急事態の場合は側にいる医療関係者に頼り、輸血の安全性を思い出してください。それでは。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

113-0033 東京都文京区本郷2-20-11 石飛ビル 1F TEL:03-6801-8250 / FAX:03-6801-6166
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