お問い合わせ 0210-48-8250

Dr.新原の健康講座

2018年5月18日 金曜日 13:42

レーシックの話

レーシックの手術を受けられる方の数が多くなってきましたね。近視で眼鏡やコンタクトが必要だった方々が手術を受けたその日から、肉眼での視力が正常、またはそれに近くなるとは奇跡の治療にも思えます。最近はラジオや雑誌で頻繁に宣伝されていますし、宣伝の中の患者さんの証言や、お医者さんのされた手術の回数などを聞きますと、少しお金がかかることの他は、何の損もない得ばかりの魅力的な投資とも思えるかもしれません。確かに素晴らしい要素の多いレーシックなのですが、やはり手術である限り、合併症、思わしくない術後の経験、レーシックを受けてはいけない要因などを心得ておかなければなりません。

そこで今回はレーシックとはどのような手術なのか、そしてどのような点を注意しなければいけないかをお話してみます。

まず、レーシックの手術の説明です。近視、遠視、そして乱視は光を屈折する角膜の曲率に影響されて起こります。そしてレーシックというのは、レーザーでこの角膜を削りながら、曲率を操作する手術です。例えば近視ですと、この曲率が上がりすぎているので、角膜の中央を削り平らにすることにより、視力を矯正します。どちらにしろレーザーを使い角膜を削ることを要するので、何度も受けられる手術ではありません。そして角膜の薄い方は、削る部分が十分にないため、受けることができません。まだ角膜が成長している18歳未満の子供も受けてはいけません。

この手術のもう一つの大切な部分は、レーザーを使う前に角膜の表面を薄くはがし、フラップを作る過程です。最後にこのフラップは削られた角膜の上に戻されます。そしてこのフラップを元の位置に戻すことがとても大切で、ずれたりしますと視力に大きな影響があります。

次にレーシックによる結果ですが、視力はコンタクトや眼鏡で矯正された以上にはなりません。そして、どうしても色の差、光と影のコントラストへの感覚が薄くなり、夕方など視力が下がり気味です。角膜が薄くなるため、天候などの変化でも視力が変動しやすくなります。まぶしさも術前と比べると強く感じられるようになり、外ではサングラスが必需品となる場合も多いです。ドライアイも術後よくうったえられます。最後に、矯正の度が過ぎますと、近視の治療の結果、遠視になってしまったなどの問題も出てきます。

このほかにもレーシックによる問題は多くあります。ですけれども幸いと大半の方々は、結果に満足されているようです。少しぐらいの合併症も、肉眼で生活できることと比べると、十分価値のあるものとして受け入れられているようです。しかしこの「すばらしい」レーシックも、受けるべきかどうか思考中の方は、注意するべきことをわきまえた上で、手術を受けるかどうかをよく専門医と相談した上で、判断をくだされるようお勧めいたします。

2018年4月19日 木曜日 11:00

疲労骨折の話

「疲労骨折による故障が理由で、運動選手が休暇を必要とする」などと時々聞きます。この骨折はストレス骨折とも言われています。ある何かの出来事のために起きる一般的な骨折とは違い、特徴として骨の一部に運動などで繰り返し負担をかけるため、少しずつ骨が壊れるものです。症状は、他の骨折と同じで痛みがありますが、多くの場合症状が出る頃には、レントゲンに写るほどのひびが入っています。骨折の起こりやすい部分は、体の重みのかかる腰の辺り、足の膝から足首にかけて、そして足の指の付け根よりやや下の辺りです。

この疾患の難しいところは、症状があまりはっきりと現れないことです。足の骨が影響している場合、少し歩くぐらいではそれほど痛みを感じないこともしばしばです。しかし、走り出したりすると徐々に痛みがひどくなり、走り終わった時に最もひどい痛みが始まると言われています。このような痛みを感じるようになったら、運動選手などは一刻も早く診察を受け、治療に専念すべきです。疲労骨折の初期は治りやすく、合併症もほとんどありませんが、それを放っておくなどして痛みを我慢し無理を続けると、選手生命が危うくなる恐れがあります。言うまでもありませんが、これは運動選手だけに限ったことではありません。外での仕事が多い方、体の一箇所に連続的に負担がかかるなどの力仕事の方、健康のためにジョギングや散歩を定期的に行っている方など、それぞれが疲労骨折を心得ておくべきでしょう。

治療として大切なのは、骨折している骨に対する負担をとりあえず減らすことです。時にはギブスなど骨を固定させることが必要となる場合もあります。足に骨折がある場合、できるだけ足の痛みを和らげられる靴を選ぶことが大切です。靴が足の骨折の負担を補ってくれる良いものであれば、軽症の疲労骨折なら大抵の場合、軽く歩いたりするのは可能です。

とにかく重要なのは、痛みを感じるような状態になったらそれを無視せず、痛みの原因をきちんと調べることです。もし上記のような痛みがある場合は、主治医の診察を受け、レントゲン写真を撮ってもらってください。時には骨折が見つかりにくく、特殊な検査が必要となる場合もあります。痛みを無視したために骨折が進むと、手術を要することもあるので気をつけてください。合併症が起きると他の疾患と同じように、事態をより深刻にしてしまいます。

予防としては、これは逆説にも聞こえますが、疲労骨折を起こしやすい骨に適度のストレスを繰り返しかけることです。そうすることにより骨が強くなります。骨を支える筋肉をつくるための運動も大切です。それではまた。

2018年3月19日 月曜日 10:21

時差ボケの話

何事をするにも世界を視野に入れて多くの方々が動いているように感じられます。仕事、休暇等の移動も毎年、平均距離が長くなり、旅行期間が短くなり、頻度が増え続けているのではないでしょうか。

時差ボケが起こるのは私達体内に時計が有るからです。この体内時計が寝起などに必要なホルモンの分泌される時間をコントロールしてくれ、そのおかげで私達の生活のサイクルが作られています。面白い事にこの時計の一日は実際の一日の時間数の24時間より一時間長く25時間です。しかし毎日私達の生活習慣のおかげで1時間リセットされています。この一時間違いが意外に大切で、時差のある所に移ったり、生活習慣のスケジュールを仕事の都合で変えないといけない時にそれに対応しやすくしているようです。どう言う事かといいますと、世界で一番時差のある場所でも比例差は12時間です。つまりどんな遠くへ移ったとしても約12日で体内時計は新しい土地の時間に慣れると言う事です。又一時間長いため、東から西に動く方がその逆よりも比例時間が遅くなるので負担が少ないようです。

時差のある場所に移った時、まず大切なのは日のあたる時間に軽い運動をする事です。昼寝も良いですが部屋はあまり暗くせず休まれ、少し疲れが取れたら思い切って外に出て日に当たってください。太陽の光は体内時計のリセットにとても大切であることが分かっています。西から東へ移り、夜寝つけない時は少量の睡眠薬を処方して頂くのも一つの方法です。反対に東から西へ移ると朝が早くなります。この時は睡眠薬はお勧めできません。それよりも朝の早い時間を工夫して使うことが良いと思います。朝2時ごろから起きていても、たいていの場合日中は問題なく生活できるはずです。どちらにしても疲れを感じるとき、休みを上手く取るようにすることと日中に適当な運動することを覚えてください。お酒タバコを控えられ食事も軽くバランスよくお取りください。

地球の裏まで何日もかけて移動するなら、体内時計が目的地に着くまでに丁度良く調整されるのですが、最近では動くスピードが早くなり、一日一時間ぐらいの修正ではとてもついていけないものです。そんな社会になった今、それについていくために工夫しないといけません。時差ボケとは言え、そのために事故が起きたり、大切な決断の判断を間違えたり、心臓などの臓器に負担がかかるなどきちんと対応を考えないといけない現象です。

それでは又この次まで。体内時計も大切にしてあげてください。

2018年2月19日 月曜日 10:04

血尿の話

尿の色がおかしいなと思ったことはありませんでしょうか。尿の色は、透明からやや黄色がかったものが正常ですが、赤っぽかったり、コカ・コーラのように黒っぽかったり、時には茶色くなる場合もあります。当たり前のように見ている尿ですが、尿の色、中身を調べることにより健康状態がわかります。というわけで、今回は尿の病的変化の一つである、血尿についてお話してみましょう。

血尿というと、どうしても赤く染まった尿を想像してしまいますが、実はその大半は肉眼では見えない、少量の血を含んだものです。そうとは言え、肉眼で見えるものも少なくありません。そして、非肉眼的なものを合わせると、その頻度は私たちが考えている以上の数字です。ウィキペディアによりますと、「健康診断による潜血陽性率は大学生で4~5%、40代は男6%女10%、60代は男11%女24%、80代以上は男17%女29%である」というデータが表示されています。

原因としては様々な疾患が考えられますが、膀胱炎の占める比率はとても高いです。膀胱炎になりますと、炎症のため膀胱の粘膜から血が滲み出やすくなるからです。大抵の場合は非肉眼的ですが、尿の色がやけに濃くなったように見える場合もあります。そのほかに原因として考えられるのは、その他の尿路の疾患です。尿路というのは、腎臓、尿管、膀胱、尿道をひっくるめた体の部分を指し、いわゆる尿が作られてから、体の外に出るまでの道筋です。そこに起こる疾患には、腎臓結石、尿路の癌、腎臓系球体の炎症、嚢胞性腎疾患などがあります。

尿路以外でも血尿の原因は発生します。血液の赤血球は腎臓を通過できませんが、赤血球が血管内で壊れてしまったとき、その中身のヘモグロビンが腎臓経由で尿に混ざります。この現象を血管内溶血と言いますが、それは赤血球の異常、人工心臓弁によりあるいは長距離の徒歩やマラソンなどで起こります。ヘモグロビンが多量に混ざると、尿の色が前述のように、コカ・コーラのような色になります。家族性血尿という原因もありますが、この場合は遺伝的なもので、特別検査したり、治療を要する疾患はありません。

以前書かせていただきましたバイタルサインに引き続き、尿の変化は比較的見つけやすいものです。そして、それが体に起こり始めた病気を示すものである可能性があります。一時的な良性のものもありますが、検査をすることにより、原因の芽を取り去り、大きな事態にならずに済むことも多いです。

非肉眼的な尿の変化は、自分では見つけられません。しかし健診などでの尿検査のような、簡単なテストでもそれを分析することができ、とても多くの体に関する情報を与えてくれます。こう考えると、尿が出るというのは有難いことですね。少なくとも体の毒素を排出してくれ、その上、体の健康状態の目安としても役立ってくれます。

2018年1月19日 金曜日 11:07

輸血の話

献血をされた事があるでしょうか?多くの方の献血のお陰で、毎日たくさんの命が助けられています。私たち医療に関わっているものは、献血のお陰で命拾いしている方々を当たり前のように見ておりますが、そうできるのも自分の血液を見ず知らずの患者さんたちのために喜んで提供してくださる方々のお陰です。

献血に関する知識、それによる安全性はどんどん向上していて、それは献血をされるボランティアの選択から始まります。その昔献血を促すため、献血をされる方々にお礼金を差し上げていたこともありました。皆様もご存知だと思いますが、そうすると献血者としてあまり好ましくない人々を呼び込んでしまうので、そのようなやり方は数十年前に廃止されました。

今は献血をするにも、とても込み入ったアンケートに答え、患者さんが献血をするだけの体力があるか、また肝炎などにかかる危険因子があるかなどを調べます。それらの審査は結構難しく、アンケートだけでも多くの候補者が献血を許されないほどです。以前、狂牛病がヨーロッパで見つかり話題になったことがありますが、その頃はヨーロッパに最近数年以内の間に住んだことがあるというだけで、アメリカでは献血者として受け入れられない状態でした。せっかく人助けをしたいという方々がたくさん門前払いされているようで心苦しいですが、それほど輸血される血液は厳しく選ばれます。

アンケートで合格しますと採決をしますが、そこで今度は血液の一部が検査に送られ、数十目の分野において調べられます。特に厳しく検査されるのは、A・B・C型肝炎、HIVです。

まだ完全ではありませんが、お陰で最近では輸血によるそれらの感染率は1/100,000以下と言われています。一生の間、100,000回輸血を受けても、感染する可能性はほとんどないという計算です。血清などの輸血に関しては、検査された血液をさらに洗浄するため、感染する確率はほとんどないと言っていいほどです。

輸血を受ける時は大抵、命に関わる危険がある時です。以前はやや危険を伴っても、生きるチャンスを得るために輸血はされてきました。しかし、最近の輸血はとても安全になりました。万が一、ご自身や身近な人が輸血が必要となった時は、主治医の先生とよく相談をして、献血者に感謝しながら受けられることをお勧めいたします。どうしても納得がいかない時は、時間が許す限り、手術などを受ける時と同じようにセカンドオピニオンを求めることも決して遠慮する必要はありません。しかし緊急事態の場合は側にいる医療関係者に頼り、輸血の安全性を思い出してください。それでは。

アーカイブ

プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

113-0033 東京都文京区本郷2-20-11 石飛ビル 1F TEL:03-6801-8250 / FAX:03-6801-6166
Copyright© AMINO PURE. ALL Rights Reserved.