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Dr.新原の健康講座

2018年5月18日 金曜日 13:42

レーシックの話

レーシックの手術を受けられる方の数が多くなってきましたね。近視で眼鏡やコンタクトが必要だった方々が手術を受けたその日から、肉眼での視力が正常、またはそれに近くなるとは奇跡の治療にも思えます。最近はラジオや雑誌で頻繁に宣伝されていますし、宣伝の中の患者さんの証言や、お医者さんのされた手術の回数などを聞きますと、少しお金がかかることの他は、何の損もない得ばかりの魅力的な投資とも思えるかもしれません。確かに素晴らしい要素の多いレーシックなのですが、やはり手術である限り、合併症、思わしくない術後の経験、レーシックを受けてはいけない要因などを心得ておかなければなりません。

そこで今回はレーシックとはどのような手術なのか、そしてどのような点を注意しなければいけないかをお話してみます。

まず、レーシックの手術の説明です。近視、遠視、そして乱視は光を屈折する角膜の曲率に影響されて起こります。そしてレーシックというのは、レーザーでこの角膜を削りながら、曲率を操作する手術です。例えば近視ですと、この曲率が上がりすぎているので、角膜の中央を削り平らにすることにより、視力を矯正します。どちらにしろレーザーを使い角膜を削ることを要するので、何度も受けられる手術ではありません。そして角膜の薄い方は、削る部分が十分にないため、受けることができません。まだ角膜が成長している18歳未満の子供も受けてはいけません。

この手術のもう一つの大切な部分は、レーザーを使う前に角膜の表面を薄くはがし、フラップを作る過程です。最後にこのフラップは削られた角膜の上に戻されます。そしてこのフラップを元の位置に戻すことがとても大切で、ずれたりしますと視力に大きな影響があります。

次にレーシックによる結果ですが、視力はコンタクトや眼鏡で矯正された以上にはなりません。そして、どうしても色の差、光と影のコントラストへの感覚が薄くなり、夕方など視力が下がり気味です。角膜が薄くなるため、天候などの変化でも視力が変動しやすくなります。まぶしさも術前と比べると強く感じられるようになり、外ではサングラスが必需品となる場合も多いです。ドライアイも術後よくうったえられます。最後に、矯正の度が過ぎますと、近視の治療の結果、遠視になってしまったなどの問題も出てきます。

このほかにもレーシックによる問題は多くあります。ですけれども幸いと大半の方々は、結果に満足されているようです。少しぐらいの合併症も、肉眼で生活できることと比べると、十分価値のあるものとして受け入れられているようです。しかしこの「すばらしい」レーシックも、受けるべきかどうか思考中の方は、注意するべきことをわきまえた上で、手術を受けるかどうかをよく専門医と相談した上で、判断をくだされるようお勧めいたします。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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