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Dr.新原の健康講座

2019年10月18日 金曜日 13:35

痛風の話

痛い風と書いて痛風ですね。いつ聞いても本当に痛そうな名前です。私自身はまだ経験したことはないのですが、患者さんに聞くところによりますと、とにかく痛い疾患で、激痛が突如現れるそうです。幸い、正しい治療により激痛を止め、再発を防ぐことはほとんどの場合十分可能です。

ところで痛風とは、一体どういう原因で起こり、どういう症状を伴う病気なのでしょうか?もうすでに経験済みでご存知の方も多いと思いますが、今回はこの痛風についてもう少し詳しくお話してみましょう。この病気は、体の中で核酸が代謝されてできる尿酸の血中濃度が高くなることにより起こるものです。尿酸の体内での溜まりやすさというのは個人差があります。しかし、全体的に見て女性よりも男性の方が、尿酸の血中濃度がだいぶ高くなりやすいです。これは男性ホルモンが核酸の代謝にかかわっているためです。統計的に見ますと、痛風になる確率は成人した男性が女性に比べて9倍ぐらい高く、プリンという種類の核酸に含まれる成分を多く摂るほどなる確率も高くなるようです。

難しい話になってしまいましたが、ここからはもう少し私達の身近な話に戻りましょうね。

まず、突如来る激痛を伴う腫れですが、足の親指の付け根に来るのが典型的なパターンです。しかしそこだけに限られた訳ではなく、他のあらゆる関節、その他の組織にも出ます。こうなるのは、尿酸の血中濃度がある値を超えますと、尿酸は関節内で結晶化され、針のようにとがった固体となるため、周りの組織を傷めつけ炎症させるからです。結晶のよくできる部分は、関節のじん帯、アキレス腱などの筋肉の腱、軟骨等です。

腫れる時は本当に真っ赤に熱を含み、痛々しいのがよくわかりますが、そうなってしまった時はまず炎症を抑えることです。これには市販されているイブプロフェン等の抗炎症剤も効きます。アスピリンはこの病気に関しては、逆効果になることがありますのでお勧めできません。氷水などを使って冷やしても良いでしょう。

できれば応急処置のあと、早く主治医の先生に診ていただいてください。この場合、処方でよく使われる抗炎症剤はコルチシンです。抗炎症剤は処方のものでも市販のものでも胃を荒らす恐れがありますので、食事または乳製品を摂取してから合わせてお使いください。炎症が下がりますと、次は尿酸の血中値を低く保つための薬を処方される事になるのが通常です。そうすることにより再発を防ぐことができます。尿酸値を低く保つための薬は、炎症のある間は避けるべきです。

その他、発病や再発を防ぐ方法として、食事の改善があります。肉・魚にはプリン系の核酸が多いので控えめに。果物・野菜類はある程度良いのですが、ほうれん草、アスパラガス、カリフラワー等は、比較的プリン系の核酸が多いので注意して下さい。お酒は身体を酸性にして脱水させ、痛風にもってこいの状態をつくってくれます。ですから特にお酒はお控え下さい。それでは今回はこの辺で。皆様の健康を祈っております。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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