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Dr.新原の健康講座

2019年12月17日 火曜日 11:14

冷え性の話

寒くなると、「手足が冷たい」「凍りそうだ」「どうしたらいいのでしょうか?」と悩まれて、アドバイスを求められることがあります。中には深刻に、「冷たさが痛みに変わってきた」「しびれる」など、とても心配になる症状で苦しまれる方も少なくありません。

これらは冷え性の症状ですが、西洋医学では、「冷え性」という診断はありません。ですので、アメリカでお医者さんにアドバイスを求める時、あまり真剣に扱っていただけない可能性もあります。持論で申し訳ないのですが、このようなところに西洋医学の足りなさを感じます。それだけ、人間の体と機能、そしてそれを侵す病気というものは複雑だということでしょうか。私の個人的な意見としては、西洋医学にしても東洋医学にしても、お互いの足りなさを認め、補充できるところは補充し合いながら、患者さんの必要をまず優先して用いられるのが理想だと思います。

本題の冷え性に戻りましょう。まず原因です。この患者は男女にみられますが、発生率は比較的女性に多いです。男女の筋肉の大きさの差が関係していると考えられています。体脂肪は体温を体の中に保つのですが、筋肉のように熱を発しません。筋肉は血流も多く、熱を発散し、内側から体を温めるので、筋肉が少ないといくら脂肪があっても内側に保つ体温が減ります。

もう一つの原因は、ホルモンなどに影響される自律神経の血流のコントロールだと言われています。寒くなると、抹消血管は体温を外に逃がさないために縮むのですが、そのために低温にさらされている四肢が、一番冷たくなります。それに加え、指先の神経は特に繊細ですので、寒さを余計に感じるのかもしれません。冷え性自体はある意味、体を寒さから守る反応と考えられます。しかし、冷たさを感じる、痛みを感じるというのは、それに対して何かをしなさいという体からの信号です。それを無視すると、神経や皮膚に問題を起こす可能性もあります。

簡単な対応としては、手足をはじめ、体全体を温めることです。血管を拡張させる薬なども少しは効果はありますが、体を温めることが一番、体が必要とする対処法でしょう。東洋医学では漢方を使いますね。どうしても寒さの中で一定の時間過ごさないといけない場合は、四肢、そして体全体を十分に温かくできる服装を着用して下さい。使い捨ての薄いカイロを手袋や靴下の中に置くのも良いと思います。ある程度寒い時でも、十分な栄養をとり、防寒をしっかりとした服装をした上で体を動かせば、筋肉から熱が出るので、しだいに四肢も温まるはずです。

それでは。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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