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Dr.新原の健康講座

2021年2月19日 金曜日 15:22

治験の話

最近、治験参加者を募集する宣伝をよく目にします。新薬や医療器具の開発のため治験は不可欠で、製薬会社や医療器具メーカーは、安全性そして効果を証明するために莫大な資金を投じて治験を実施します。治験の対象となる方々は、特定の疾患を持つ患者さんたちであったり、健康な方々であったり、または両方であったり、治験の目的により異なります。

治験に参加するということは、実験台になると思われる方も多いでしょう。確かにそれは否定できません。しかし治験は、計画時にまず厳しい倫理委員会の許可を得ることから始まります。少しでも必要以上の危険性が予測される場合、治験は許可されず、先に進むことは出来ません。それから、治験に参加することによりメリットがある場合もあります。一部の末期ガン患者などにとって、治験に参加することは、認定前ではあるけれども、効き目のある可能性の高い薬を投与してもらえる唯一のチャンスでもあります。

多くの治験では、参加者に交通費やその他の経費が支払われますが、参加者はボランティアであるのが前提ですので、時間に対する謝礼は一般的にありません。治験によっては入院を要するものもありますが、その場合、必要な食事、病院での生活のため必要なものは備えられます。当然のことですが、治験が目的で入院した時の費用は無料です。外来中心の治験でも、食事や飲み物が提供される場合もありますが、大抵の場合は普通の外来通院のようなものです。

治験に参加されるのはご本人の自由で、決して誰にも強制されてはなりません。献血と同じように、一番の目的は将来どなたかの治療の役に立つということです。しかし上記のようにある種の疾患のある患者さんにとっては、治験参加が最後のチャンスという場合も結構あります。

もし治験に参加する機会がありましたら、主治医ともしっかりと相談することをお勧めいたします。その上で治験の主催者とよく連絡し合い、副作用の可能性などよく把握した上で同意書に署名してください。治験の途中で少しでも体に異常を感じられたら、すぐに報告しなければなりません。それから参加されるからには、関係者の指示にしっかりと従うか、もしそれが難しいのなら辞めるべきです。治験から降りるのは、どの時点でも参加者の自由です。ただし、薬や器具によっては、急に辞めてしまうと体にとても負担となるものがありますので、辞めるにあたっても、関係者の指示によく従ってください。それでは。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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