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Dr.新原の健康講座

2018年12月20日 木曜日 09:29

喘息の話

病気になった時に体験する辛さは色々とありますが、息が苦しい事ほど苦しい症状はないでしょう。目の前から命が吸い出されてしまいそうな辛さだとおっしゃる方もいるくらいです。そしてまさに喘息は、その苦しさの典型と言っていいかもしれません。

喘息になりますと、気管支が非常に細くなってしまうため、空気をよく吸えなく、また息を吐き出せなくなってしまいます。それはそれは辛いらしく、発作が起きると皆「生きた心地がしない」と言います。経験された事のない方は、鼻をつまみストローを口にくわえ、それだけで2分間呼吸する事で、どれほど喘息の方が苦労されているかを少し感じる事が出来ると思います。実際に発作が起こりますと、ほんの数分の間に窒息する場合もあります。

世界で喘息の患者さんの数は、約3億人と言われています。世界人口の約5%です。日本やアメリカでも患者さんの数は、5%~10%の間で、その内約1000人に1人が毎年喘息で亡くなられています。死因の多くは治療が遅れるか、重度の発作を軽度のものと診過ごしてしまうことにより起こります。

この病気は大きく分けて、アトピー型と非アトピー型があります。アトピー型はアレルギーと関係していて、アレルギーの反応を引き起こす因子が存在します。その因子の事を環境刺激因子というのですが、それは患者さんにより様々でして、主にハウスダスト、薬、食事、運動、ウイルス感染、タバコ、アルコール、気圧変化などがあげられます。それらのうちどれか、患者さんが反応する因子に接しますと、それに過剰反応を起こし、気管支狭窄が促されるのです。非アトピー型は、原因がまだはっきりしていません。しかし過労やウイルスの持続感染による炎症などが加担している事は分かってきています。

この病気の診断を受けた場合、または症状がある場合、どうすれば良いのでしょうか?

とても大切なのは、病気を真剣に扱い、主治医の指示をしっかりと守る事です。もちろん納得いかない場合は、セカンドオピニオンも良いでしょう。しかしどちらにしろ、自分の状態を良く理解して指示して下さる先生に診ていただいて下さい。主治医の指示に従い、気管支抗炎症薬と気管支拡張薬を、上手く使い分けることがとても大切です。発作が起きた場合、手持ちの気管支拡張薬などを使う事もとても大切です。しかしもっと大切なのは、すぐに最寄りの医療機関で診てもらえるという事です。必要に応じては、人工呼吸器を使わないといけないぐらい重症の場合もありますので、発作は甘く見ないことです。出掛ける時、処方された薬を忘れず、また行く目的地ごとに最寄りの医療機関がどこにあるかを把握しておく事も良いと思います。深呼吸できる事がどれほどの恵みか、お忘れにならないで下さい。

それではまたこの次まで。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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