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Dr.新原の健康講座

2019年2月22日 金曜日 14:00

口内炎の話

私事になってしまいますが、身体に無理を強いて仕事をしたり、旅行をしたりした後はよく口内炎が出ます。始めに口の粘膜が一部荒れてきたような感じがしたかなと思うと、次の日にはそこに潰瘍が出来ていて、結構ひどい痛みが伴います。似たような経験をされた方も、読者の皆様の中には多いのではないでしょうか。ここに描写されている口内炎は、再発性アフタ性口内炎という種類のもので、一般的に口内炎といいますとこの種のものを指します。これは疲れた時などに多く診られ、原因ははっきりと分かってはいないのですが、ビタミン不足であったり、粘膜が比較的弱くなっていたり、噛んだりして粘膜を頻繁に傷つけたりしているとなりやすいようです。大抵の場合、発生後一週間から十日ぐらいで治りますが、他の病気などで身体の調子が良くない時などはもっと長引く可能性もあり、身体全体の休息、健康回復が大切になります。時には二次的感染する時もあるので、できるだけ口の中を清潔に保つようにしていただきたいです。

この口内炎になった時に、一番大切なのは十分な栄養素と水分を摂ることです。痛みなどでそれらが妨げられる時は、主治医に相談して下さい。たかが口内炎であっても、そのような場合は身体に大きな打撃となりかねません。幸いほとんどのケースは痛みを伴うにも関わらず、栄養素や水分は十分に摂取できるので、何も特別なことをしなくても、一定の時が過ぎると治ってしまうのがしばしばです。治療としては、ビタミンをはじめ栄養素をバランスよく摂ること、そして疲労がたまらないぐらいのスケジュールを保つことです。必要であれば、痛み止めや専用の軟膏なども症状を緩和するのに役立ちます。

これは誰にでも当てはまることではありませんが、私は口内炎が出るようになると自分の生活やスケジュールを少し見直します。当たり前のような話ですが、まだインターンで当直が多い頃、よく口内炎が出ました。しかしそんな時でも、休暇になるとほとんど出ることはなく、私自身に関しては口内炎の発生が自分の身体の疲労にとてもよく比例しているようです。

ところで他にも口内炎の種類は色々あります。バクテリア、そしてウィルスなどによる感染によるものでもあり、アフタ性と区別して診断をしないといけません。バクテリアが原因のもので代表的なのはジフテリア、淋病、猩紅熱などで、どれも熱と身体全体の症状があります。それらは速やかな抗生物質の治療を必要とします。ウィルス性のものは疱疹、麻疹、単核細胞症などがあります。疱疹に限って抗ウィルス剤が効きますが、それ以外は症状緩和に加え、栄養素と水分摂取の維持が治療の中心です。バクテリアであれ、ウィルスであれ、感染によるものはアフタ性と比べ症状が重く、大抵、医療施設での治療が大切になります。自己免疫症が原因の口内炎もあります。

最後に、口内炎の原因が癌または前癌状態である可能性もあることを心得ていて下さい。それでは。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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