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Dr.新原の健康講座

2020年2月20日 木曜日 11:08

深呼吸の話

長い間座って仕事をしている時、思い出したように深呼吸をする時があります。そうすると、体がすっきりして、頭の回転も少し速くなるように気がします。これは気のせいではありません。正しい呼吸は健康を維持するためにとても大切なのです。

最近では、呼吸を基礎にした健康法がいくつもあり、多くの「呼吸専門家」たちによって伝えられ、教えられています。私はそのような「呼吸専門家」ではありませんが、今回は医学的に立証されている、深呼吸の効果を挙げながら、それの大切さをお話してみましょう。

深呼吸をすると、まず肺を開きます。私たちは長い間座っていたり、猫背にしていると、肺の一部分を閉じたままにしている状態を作ってしまいます。健康な人は肺は50%も使わなくても体に十分な酸素を吸い込むことができるので、そんな状態でも、別に息苦しくもなく、普通に活動できます。しかし、それが長く続くと使われてない部分の肺機能が弱くなってしまいます。その上、肺炎にもかかりやすくなります。ですので、定期的に肺全体を思い切り広げてあげることが大切です。でも深呼吸は頻繁にできるものでもありません。深呼吸ばかりしていると、呼吸のバランスが取れなくなり、体内の酸素と二酸化炭素などの比率が崩れ、頭がふらふらしてくるでしょう。深呼吸は激しい運動をしていない限り、一時間に数回で十分です。

深呼吸で肺を開くと、そこを通る血管も拡張し、体全体の血行がよくなります。これは心臓をはじめ、体中の臓器に良い結果をもたらせます。机に向かった仕事のお蔭で少し眠くなったりするときも、血行の促進により、頭がすっきりとした気分になります。

もう一つ、おもしろいのは、深呼吸をするとエンドルフィンは分泌されます。エンドルフィンというのは、体の細胞をリラックスさせ壊れた部分の治癒を促す分泌物です。イライラしている時なども、深呼吸をすると心が少し落ち着き、穏やかな気持ちになるのもそのエンドルフィンの効果が関係していると思います。

エンドルフィンの効果を一番分かりやすく感じられるのは、息を大きく吸い込んでから少しの間息を止め、数秒後に息をスーッと吐き出す時です。その時体がふわーっとした気持ちになりますが、それはエンドルフィンのおかげだといわれています。私も時々、ストレスが溜まった時など試しますが、体も心もすっきりとするような気がします。

呼吸法は身近にある健康法の手段ですね。皆さんもストレスが溜まったりデクスワークに疲れたとき、深呼吸をする習慣をつけてみませんか。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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