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Dr.新原の健康講座

2017年4月17日 月曜日 13:35

ビタミンB12欠乏症の話

ビタミンB12欠乏症と言ってもあまりピンとこない方も多いと思います。ビタミンはどれも大切ですが、このビタミンが足りなくなりますと、体の多くの機能にはっきりとその影響が見られます。このビタミンを欠乏する原因は様々で、多くの方がこの疾患で苦しまれております。今は原因がはっきりしているので治療も簡単ですが、原因の分かっていなかった1900年代の初め頃、この病気のために多くの方が亡くなりました。現在でも、ものすごく治療が簡単な病気であるのですが、診断をしっかりしないと命に関わる病気となります。

まずどのような症状が出るのでしょうか?皆さんもよくご存知の、脚気が典型的な症状の一つです。脚気というのは、反射神経が鈍る時に起こる症状です。ですので、もちろんいつもより歩きにくくなったり、走れなくなります。それ以外によく知られている神経にかかわる症状としては、足が反動などに対しての感覚が鈍ること、そしてひどくなりますと痴呆症、意識不明に至る場合もあります。

それ以外によく知られている検査結果は貧血です。貧血でも数字的にはひどいもので正常の3分の1しか血の値がないこともしばしばです。当然のことそれほどの貧血がありますと体がとてもだるく、弱く感じられます。しかし時にビタミンB12はとても足りないのに、貧血のない場合もあります。それは別のビタミンが貧血の方をカバーしてしまうからです。でもそういう時も神経関係の症状は出て、ある時は、貧血がある時よりも神経の症状が多く出るということもよくあります。

この疾患の原因として、第一にあげられるのが悪性貧血です。これは自己免疫症の一つなのですがその名の通り、昔は白血病のように恐れられていた病気です。今はビタミンを定期的に注射をするだけでも、何も問題のない病気なのですが、ビタミンB12の代謝が発見されるまでは、ほとんど確実に命を落とすと思われていたコンディションでした。私達の胃にはこのビタミンを吸収するための特別な因子を分泌する作用があるのですが、悪性貧血になりますとこの因子が分泌されなくなるため、体もこのビタミンを摂れなくなってしまいます。

もちろん、胃を摘出された方も同じような状態になります。ですので、そのような手術をされた方は必ず定期的に血中のビタミンB12の値を調べていただいて、欠乏する前に治療を受けてください。そのほか、寄生虫によるもの、胃腸にバクテリアが必要以上に繁殖されてしまう場合などが、ビタミン吸収を妨げるものとして認められています。それから、ビタミンB12は動物性の食物にあるビタミンですので、極度のベジタリアンの方々はビタミン剤をサプリメントとして摂ることをお勧めいたします。牛乳や卵はビタミンB12を豊富に含んでいるので、それらを摂られていれば食習慣のため欠乏することはまずないでしょう。

それでは、またこの次までバランスの良い生活を。

2017年3月22日 水曜日 12:05

塩分の話

塩分の摂りすぎは身体にあまりよくないと、物心がついた頃から聞いてきたような気がします。でも塩は、私たちの生活には欠かせないもので、その昔、塩の取り合いで戦争を起こした国々もあるとのことです。塩は味付け、食物保存に大切なだけでなく、適度な量は私たちの体が正しく機能するためには、絶対に必要な成分なのです。ですので、あまり悪者扱いしたくはありませんが、摂りすぎは不足と同じくらい、私たちの体に問題を起こします。

塩分の摂りすぎが原因となる疾患で、まず挙げられるのが高血圧です。塩分は血管内の水分を増やし、血圧を高くし、血管や心臓に負担をかけ、脳梗塞、脳出血、心臓発作、心不全、腎臓病などにも繋がります。それからあまり知られていない分野では、がんの発生率の上昇と塩分の摂りすぎです。つまり、塩分の摂りすぎが私たちの死因の一位と二位を占める、がんと循環器関係の病気に関係しているのです。こういう言い方をすると、少し塩分摂取量制限の大切さを考えていただけるでしょうか。

前述の通り、塩分は摂らなければいけません。しかし、先進国の典型的なメニューには、西洋でも東洋でも、塩分が本当に多く含まれています。私たちの一日の理想的な摂取量は、6gから8gなのですが、それだけに抑えるには工夫が必要です。特に外食が多い方々は、よく注意しなければなりません。例えば、やまかけそばは一杯で、一日分である6gの食塩が含まれています。それから、加工食には食塩が多めです。ちょっとでもしょっぱいと思える食べ物は、一口でも多量の塩分を含んでいます。

塩分摂取量対策の一つとして提案したいのは、食物に含まれている塩分量をリストした表に目を通すことです。そして一食でも塩分の多めの物を食べた日は、残りの食事はできるだけ塩分を控えたものを選んでください。外食は週に一度か二度に抑えられれば理想的です。レストランなどにはテーブルに塩、胡椒、醬油などがよく置いてありますが、食べ物の味が相当薄くない限り、それらを使うのを避けていただきたいです。ちなみに醤油ですが、それは小さなスプーン一杯で、5gもの塩分を含んでいます。心臓病や高血圧を患っていらっしゃる方々は、ナトリウムの代わりにカリウムを含むお醤油などを使うことをお勧めいたします。

最後に塩味ですが、塩味を濃くすればするほどそれに慣れて、もっと塩辛い味を舌が求めますが、反対に一週間くらい極力塩分の少ない食事を続けると、舌が塩味にとても敏感になり、薄味でも十分に満足できるようになります。一度試してみませんか?それでは。

2017年2月14日 火曜日 11:27

リュウマチの話

リュウマチと言いますと、一般的には自己免疫症による関節炎のことを指します。この病気の原因はまだはっきりと解明されてはいませんが、一部では関節に進入した感染に対する過剰な免疫反応によるものだと言われています。しかし、それらの免疫反応は感染だけとは限らないようです。どちらにしろ、その過剰免疫反応が骨と骨をつなぐ関節を炎症させ、ひどい場合にはその部分を一部破壊してしまうこともあり、そのせいで関節が変形されることもしばしばです。

 症状としては関節部分の腫れ、そしてそれに伴う熱と痛みがあります。病気が進みますと、関節、その中でも特に手指の関節の変形がみられ、手足の機能がとても低下します。腕や足の節々も影響され、ひどい時にはほとんど自分では日常の生活を営む事が出来ず、簡単な作業をするのにも、周りの助けが必要になります。もう一つの症状ですが、朝起きた時、手がこわばり、普通に使えるようになるまでに少し時間がかかることがよく見られます。

 リュウマチにかかる年齢は、若い方からお年寄りまで様々ですが、年齢が高くなるにつれて、かかる確率も高くなります。

 治療でまず大切なのは、無理をしないことです。関節が腫れて痛む時は体全体を休め、炎症している関節は動かさないことです。腫れている関節を冷やすこと、温めることを交互にすることにより炎症を抑え、血行を良くすることも、ある程度効果があります。もちろん、抗炎症剤もとても大切です。主治医の説明を受け上手に非ステロイド系抗炎症剤を使っていくことは、関節の破壊を防ぎます。

 症状がひどくなりますと、ステロイドに頼る場合もあります。ステロイドというのは、とても強い抗炎症剤なのですが、長期利用するにあたり副作用も強く、結果的には長期使用では、骨、皮膚をはじめ他の体の部分が悪くなってしまうことが多いので、必要とされた場合は主治医とよく相談しながらお使い下さい、できることならばステロイドは短期使用にとどめておきたいものです。

 近年、とても強力な薬が開発されました。これは抗TNF剤というものですが、とてもひどいケースに使われます。以前は何をしても変形した関節などを元に戻すことは難しかったのですが、この薬の出現によりそれも可能になってきました。しかしこの薬は免疫力をとても低下させてしまうため、感染や癌などにとてもかかりやすくなります。ですので今は生命に関わるようなひどいケースのリュウマチに限られて使われているのが現状です。

2017年1月16日 月曜日 16:25

長寿の話

心身ともに健康で、長生きできれば素晴らしいですね。最近では100歳の誕生日を迎えられた方々のお話をよく聞きます。近代の記録では、最高120歳代まで長生きされた方々が数名いらっしゃるようですね。科学的にも人の細胞は120歳ぐらいまでの寿命を支えられると裏付けられています。細胞の中には回数券のようなものがあり、その回数券の数だけ細胞は分裂し、新しく生まれ変わることが出来るのだそうですが、それが終わるともう細胞も再生されなくなり、それ以上は生命も保てなくなるのです。ただ、そんな中でも生殖体はまた別でして、それは新しい命を創り、その生命はまた全く新しい何度も分裂できる細胞を持って生まれてきます。本当に不思議な話です。

生きているということ自体が本当に神秘なのですが、どのような生き方が私たちの限られた時間を少しでも健康に延ばしていけるか、現代医学である程度わかってきたようです。まず大切なのは食事です。私たちが食べるものが新しい細胞となります。ですので、口から入っていくものが私たちの細胞が強くなるか、弱くなるかを大きく左右します。世界で長寿国の多い地域を見てみますと、野菜・果物・穀類・そしてナッツを中心とした食事が体に合っているらしいというデータが出ています。その他、海藻類もとてもよろしいようです。穀類も大切ですが、出来るだけ脱穀されていないものが栄養素も多く望ましいです。これらの方々は、肉類を多く摂る方々と比べ、平均寿命は3年から7年長いという研究結果も出ています。

野菜や穀類でもアレルギーはありますので、その場合よく注意しながら召し上がって下さい。なられた方々ならご存知だと思うのですが、蕎麦アレルギーや小麦タンパク質のグルテンに対する拒否反応などは、とても深刻な問題になりかねません。

食事と同じぐらい大切なのは生活習慣で、適度な運動、十分な睡眠、禁煙と一般的にもよく知られているものが挙げられます。お酒に関しては、少量に抑えられるのなら、薬程度にお勧めする意見もあります。しかし大抵は少量で抑えきれず、肉体的に精神的に、そして社会的に問題になる場合が多いので、私としてはあまりお勧めできません。

そして、あまり重要視されていないようで、もしかしたら一番大切なのが平安な心です。そのような方々は、常に体を癒やすエンドルフィンが出ているようで、病気になり難いだけでなく、そうなってしまった時も治りやすいようです。私たちの食事、生活習慣にも影響される心の平安ですが、信心深く、感謝の念を持たれる方々は「平安度」が高いようです。ありふれたような事柄を並べました。しかしこれらは私たちの健康、長寿には欠かせないものです。そして、それらを実行されてきた方々を調べた研究の結果は、学会でも認められています。皆様も健康な生き方に挑戦されてみませんか。ただ生活習慣を変えようとされる場合、それは急にではなく、徐々にされますようお願いいたします。それではまた。

2016年12月19日 月曜日 16:53

二日酔いの話

日本人も含め、東洋人は白人や黒人に比べ、比較的お酒に弱いと言われています。そして特に、二日酔いをしやすい体質です。生科学的な理由は、私たち東洋人の多くはアルコールを代謝するために必要ないくつかの酵素のうちの一つの働きが弱いからです。

その酵素はアルデヒド脱水素酵素という、少し覚えにくい名前のものですが、この酵素の働きが弱いとアルコールを摂った時、アルコールが代謝される段階でできる、アルデヒドという成分が体の中にたまってしまいます。そしてこのアルデヒドという成分こそが、二日酔いの原因なのです。

アルデヒドはアルコールが代謝されることによりできる成分なのですが、通常は時間とともにさらに代謝され、水と二酸化炭素に分解され、体から排出されていきます。アルコールと比べると、毒素はだいぶ少ないのですが、アルデヒドも体に色々な症状をもたらし、障害を引き起こします。二日酔いを経験された方々はよくご存知だと思うのですが、まず頭痛が激しく、むかつき、嘔吐などもあります。そのうえ脱水症が重なり、血液中の電解質という成分のバランスが壊れ、臓器の働きに影響することもあります。

アルコールがまだ体に残っている場合は、アルデヒドだけの時とは違い、ふらつき、ろれつが回らなくなったりなどの神経が鈍くなっている症状が見られます。アルデヒドと脱水症が主な原因となっている二日酔いと、アルコール中毒症では内容が別です。ですので、アルコール中毒と二日酔いの診断との扱いを間違えないようにしないといけません。急性アルコール中毒は、救急治療が必要とされますが、二日酔いは大抵の場合、時間とともに回復していきます。

二日酔いの治療としてまず大切なのは、水分を十分に摂ることです。水だけでなく、スポーツドリンクなどを飲むのも効果があります。スポーツドリンクには電解質も入っているので、その補給にもなります。そして、肝臓がアルコールを代謝するには糖分も必要なので、その補給も大切です。言うまでもありませんが、休むことはとても大切です。体にたまったアルデヒドを分解する酵素の働きは弱かったとしても、時間とともに少しずつ代謝していくはずです。

二日酔い予防のため、お酒を多く飲まれた日は、寝る前に十分に水分と糖分を摂ることもよいと思います。それから、最近注目されているのはグルタミンです。このアミノ酸は肝臓のアルコール代謝の効率を上げ、二日酔い予防に効果があると言われています。私も実際に何人かの方々から、グルタミンの二日酔い予防の経験談をお聞きしたことがあります。しかしまあ一番望ましいのは、飲まれない、でなれば飲みすぎないことです。

2016年12月7日 水曜日 12:17

抗がん治療による副作用の話

できれば一生、がん治療などを受けずに過ごしたいものです。しかし現実には、人口の3分の1はいつかがんになります。最近では治療も進歩し、完治する可能性も高くなりましたし、吐き気などの副作用も、以前と比べるとだいぶ抑えることが出来るようになりました。でもやはり、それでもまだ患者さんにとってはとても辛い経験です。

症状として最も苦しいものの一つが、吐き気だと思います。前期の通り、これを抑えるため、現在とても効果的な薬がありますが、一部の方々はそれでも酷い吐き気をもよおしたり、吐いてしまいます。吐き気はたいてい抗がん剤を受けたその日、長くても次の日には良くなるケースがほとんどで、苦しいわりには大事にいたることはほとんどありません。この間、よく注意しないといけないのが脱水です。ですので、辛くても水分だけは十分に摂るように努力してください。嘔吐がとても酷くて、一日以上何も口から摂取できない時は、思い切って医療機関のお世話になってください。がんがあることで、すでに大きな病気を背負っているのに、その上脱水症状を起こしては大変です。

次に発熱ですが、それはさほど苦しくなかったとしても、白血球減少により、比較的短い時間のうちに、敗血症にいたる場合がありますので、よく気を付けてください。抗がん治療を受けておられる方々は、体温を定期的に測るべきです。もしそれが、38度を超えるときは、主治医の先生にお知らせください。抗がん剤の中には、投与直後から翌日にかけて発熱の副作用がある薬もありますので、主治医に説明する前に現在使っている薬の名前、そして熱以外にも「頭がフラフラする」などの症状があるようでしたら、必ずお申し出ください。

下痢も頻繁に起こる副作用の一つです。これは胃腸粘膜が傷つき、炎症するために起こるものですが、軽くあしらうことは出来ません。嘔吐と同じく、脱水症状を引き起こしかねません。ただこの場合、長引くときもありますので、必ず主治医のアドバイスを受けてください。必要によっては入院し、点滴をしなければならない可能性も十分あります。それから下痢が出た場合、次回の抗がん治療の薬、投与量などを考慮しなおす必要があります。私が治療するとき、たいていの患者さんに、胃腸粘膜を守るため、グルタミンを併用するようにします。論文などでも実証されていますが、これはとても効果があります。

口内炎もやはり、粘膜の損傷と炎症のために起こる副作用です。これには、バイオティンがよく使われます。そしてここでもやはり、グルタミンは大切です。グルタミンは抗がん剤を始める前から使用することにより、口内炎予防としても使えます。

この他にも抗がん剤による副作用はもちろんあります。私なりに特にお伝えしたかったものについて簡単に書きましたが、抗がん治療を受けなければならないときは、そうするにあたり、必ず主治医と副作用や効果の可能性について、納得いくようにお話しされることを、強くお勧めいたします。

2016年10月17日 月曜日 15:02

癌予防の話(2)

 

今回も引き続き癌予防の話です。前回は簡単に生まれつきの体質、または環境について説明させて頂きました。今回は、癌予防の生活習慣について一緒に考えてみましょう。

まず一番強調したいのが免疫力です。ご存知かもしれませんが、私たちの体には癌細胞が毎日発生しています。しかし、癌細胞がまだ発生して間もない数も少ない時点で、免疫力がそれらを全滅させてくれるのです。これは常に起きている現象で、このバランスが崩れると癌細胞が増え続け、ある時点を越えると私たちの通常の免疫力ではとても対処しきれなくなります。そうなると癌の組織は体内でどんどん大きくなってしまうのです。実際、移植の拒否反応などを防ぐための免疫投下薬などを長期間服用している患者さんや、HIV感染の患者さんなどは、癌の発生率が平均の数十倍から数百倍になります。

免疫力を最大限に保つために、私たちは何ができるでしょうか。まず大切なのは食生活です。簡単にまとめますと、食べ過ぎず、かと言って控え過ぎず、たんぱく質や植物性脂肪、そしてビタミンをバランスよく摂るようにして下さい。カロリーを多く摂り過ぎると、一時的ですが免疫力が極端に下がります。特に糖分を摂ってしばらくは、免疫の最前線とも言える白血球の動きがとても鈍くなります。だからと言って、カロリーを摂らなければいいという訳では勿論ありません。神経性食思不振症などで体重が理想の60%以下になりますと、白血球の数も減り、免疫グロブリンなどが低下するというデータが出ています。

次にたんぱく質と脂肪分ですが、たんぱく質は欠乏しても摂り過ぎてもいけません。大体一日のカロリーの20%から30%あれば十分です。先進国の典型的な食事を考えると、どうしても摂り過ぎが心配になりますね。脂肪分の欠乏は良くありませんが、必須脂肪酸といわれる植物性のリノール酸、α‐レノリン酸等をカロリーの3%くらい摂るのが免疫力を高めるのには理想的です。少量のビタミンやミネラルもとても大切ですので、適度な分量をバランスの良い食生活から、または総合ビタミン剤などを取り入れながら摂って頂きたいものです。

タバコやお酒についてはここで改めて述べなくても、それらが肺、咽喉部、食道、または胃の癌の発生率を極端に上げていることをご存知だと思います。タバコはなるべく控え、お酒は控えるか少量に抑えるようにしましょう。それと日々の30分位の適度な運動をお勧め致します。

最後にストレスです。これも免疫力を下げるため、癌発生に間接的に関係があるのではと言われています。ストレスも真正面から向き合って対応することが、解決につながるのではないでしょうか。カンセラーなどから助言を受けるのも良い事だと思います。

それでは皆様、また次回。

2016年9月16日 金曜日 14:48

癌予防の話(1)

癌という病気は今も昔もとても恐れられていますね。癌は不治の病であると思われる方々も多かれ少なかれいらしゃることでしょう。幸いなことに最近では、癌の半分ぐらいが早期発見や、適切な治療などで治るようになっています。とは言え、やはりかかりたくないものです。

癌の原因として挙げられるのは、生まれつきの体質、そして環境と生活習慣です。

まず生まれつきの体質ですが、それは私達がコントロールをすることは出来ません。しかし、確かに癌になりやすい体質というのはあり、それを自覚しておく事はとても大切です。なぜなら、そのような体質を持たれた方は、予防と早期発見に力を入れるべきだからです。大抵の場合、家族の病歴を見てみますと、対象となる方が癌になりやすい体質であるかどうか分かります。例えば、乳がんの病歴が姉妹や母親にあり、しかもその方が閉経前に発病されていますと、乳がんになる確率は平均と比べて、数倍高くなります。また、ある乳がんの遺伝子を受け継いでしまった場合は、生涯で乳がんになる確率は80%以上という事もあります。

次に環境と生活習慣です。癌発生の因子となる環境や生活習慣というものは、癌になりやすい、そうでないに関係なく襲ってきます。先程も申し上げましたが、癌になりやすい体質の方は、それらの因子を特に避けていただきたいです。また、特別に癌が家族の病歴になくとも、平均で3人に1人は癌になるという統計が出ていますので、すべての方々に避けていただきたいです。

環境による因子の一つは放射線です。最近は厳しい規制があり、放射線は隔離されていますので、先進国では大体の一般市民はほとんど心配要りません。しかし、中には放射線関係の職業に就かれている方、あるいは別の仕事をしていてもどうしても放射線を扱うそばに行かなければいけないという方は、必ず規定に従い必要なプロテクションをつけてください。

次に挙げられますのが大気汚染です。これについては昔から色々なデータがあり、説明が難しいのですが、やはり確実に公害の中に数十種類の発ガン性物質があり、癌発生の原因となっているようです。ある疫学の論文によりますと、大気汚染の原因となっている工場などから1キロメートル以内の場所で生まれた子供達は、16歳までに癌で死亡する率が平均と比べて、2倍から4倍であると結論されています。考えてみますと当たり前のような気もしますが、数字を見ますとやはりという感じですね。水の汚染が規制されていない場所でも、似たようなデータは出ていますので、そのような場所は避けたいですね。小さいお子様がいる場合は特に避けたいものです。

さて今回はこれくらいにしまして、次回、食事、薬などを含む癌を避けるための生活習慣というものに触れてみたいと考えております。それではまた。

2016年8月19日 金曜日 11:42

糖尿病の話(2)

前回は1型糖尿病について説明させていただきました。今回は2型に焦点をあててみましょう。2型は1型と対照的で、成人してから発症する場合が多く、一般的に大人型とも言われています。1型と根本的に違うのは、発症初期にインスリンが正常値よりも大分高い事です。このタイプは、細胞がインスリンに対して十分反応出来ないため、ブドウ糖が血中に溜まってしまい、体はインスリンが足りないと勘違いし、インスリンを過剰に分泌してしまうのです。インスリンは成長ホルモンとしても働き、インスリンが多いと太りやすくなります。そして太ると余計、インスリンのブドウ糖に対する働きが悪くなるという悪循環です。

このタイプは原因が遺伝子に操作された体質によることが多く、患者さんたちは生まれつき大人型糖尿病になりやすかったと言うこともできます。しかし運動やバランスの良い食事を保って成長すると、糖尿病になるのを防ぎ、またなってしまったとしても、症状も合併症も比較的軽いものが多いようです。

2型の治療はまず、食事と運動からです。そして必要に応じて経口血糖硬化剤を使います。病気が進行しますと、1型のようにインスリンが足りなくなる事があり、その場合はインスリンを使います。

食事については、カロリー制限を必要とします。これには個人差があるので、主治医の方にご相談ください。大体、1日1500キロカロリーから2000キロカロリーぐらいまでです。患者さんの身体の大きさ、減量の必要性、患者さんの生活習慣などにより、お勧めのカロリーの量が変わってきます。出来るだけ、脂肪分の多い揚げ物などは控えめにすることをお勧めいたします。脂肪分は少量でも高カロリーで体重を増やしやすく、その上すでに合併症として高くなっているコレステロールをさらに高めるからです。もう一つ控えたいのは砂糖です。穀類でも、漂白された白米などは砂糖に近いので、摂り過ぎに気をつけて下さい。最近はとても良い甘味料なども出来ていますので、甘いものがどうしても欲しいと思われるときは、砂糖の代わりにそれらを使うことをお勧めいたします。

次に運動です。運動は、少なくとも一日30分以上していただきたいものです。歩く事でも庭仕事でも、自分が楽しめるものが長続きすると思います。これも体調などにより個人差がありますので、主治医の指示のもと、適当な量の運動をしてください。

経口血糖硬化剤、インスリンの使用の判断は専門医にお任せください。2型も合併症が多く、身体のあらゆるところに出る可能性があります。この病気は主治医と相談しながら、上手くお付き合いされるとよいでしょう。

2016年7月20日 水曜日 10:44

糖尿病の話(1)

食欲が旺盛で甘いものをよく食べる私は、「糖尿病に気をつけて下さい」とよく言われます。確かにこの病気になりますと、食欲が必要以上に高くなり、それと同時に糖の利尿効果のため、喉が乾くようになります。医者である自分が注意されるのは面目なく、多少なりとも注意をしています。

この糖尿病という疾患は、身体のブドウ糖の代謝に異常が起こることにより出る病気で、通常はインスリンが働いて血液の中のブドウ糖を細胞の中に移動させてくれるのですが、糖尿病の場合、このインスリンの働きがうまくいかなくなっている為、ブドウ糖が血中に溜まってしまいます。こうなりますと体内にはブドウ糖がたくさんあるのに、細胞の中にないため、身体は十分なブドウ糖が摂れていないと錯覚し、空腹感を促すのです。

この病気は大きく分けて、1型と2型があります。1型は感染症や自己免疫のため膵臓からインスリンが分泌できなくなってしまうタイプです。1型が診断されるのは小児期が多く、小児型と言われる事もあります。初めの症状は多くの場合、頻尿と脱水です。子供なので理解されず、クラスをサボりたくてトイレが近いと誤解される事も稀ではないようです。1型の患者さんたちの体型は痩せ気味で2型とは対照的です。なぜ痩せているかと言いますと、インスリンは成長ホルモンの一種でもある為です。

1型が疑われた場合、言うまでもなくすぐに診断して、治療を始めなければいけません。急性合併症で代表的なのはケトアシドーシスと言い、昏睡状態を引き起こし、速やかに集中治療を必要とします。慢性合併症は身体のあらゆるところに現れ、目の網膜と角膜、腎臓、神経等に異常が起こります。

1型の治療は的確なスケジュールでインスリンの血糖値を正常値に近く保つ事です。多くの患者は成長期の子供たちですので、食事の制限は比較的少なくし、他の子供たちと一緒に行動できるようにする事が大切です。

2型は成人してから発症する場合が多く、一般的に大人型とも言われています。大人型については、次の機会にもう少し説明させていただきます。

それではまた。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

113-0033 東京都文京区本郷2-20-11 石飛ビル 1F TEL:03-6801-8250 / FAX:03-6801-6166
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