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Dr.新原の健康講座

2016年8月19日 金曜日 11:42

糖尿病の話(2)

前回は1型糖尿病について説明させていただきました。今回は2型に焦点をあててみましょう。2型は1型と対照的で、成人してから発症する場合が多く、一般的に大人型とも言われています。1型と根本的に違うのは、発症初期にインスリンが正常値よりも大分高い事です。このタイプは、細胞がインスリンに対して十分反応出来ないため、ブドウ糖が血中に溜まってしまい、体はインスリンが足りないと勘違いし、インスリンを過剰に分泌してしまうのです。インスリンは成長ホルモンとしても働き、インスリンが多いと太りやすくなります。そして太ると余計、インスリンのブドウ糖に対する働きが悪くなるという悪循環です。

このタイプは原因が遺伝子に操作された体質によることが多く、患者さんたちは生まれつき大人型糖尿病になりやすかったと言うこともできます。しかし運動やバランスの良い食事を保って成長すると、糖尿病になるのを防ぎ、またなってしまったとしても、症状も合併症も比較的軽いものが多いようです。

2型の治療はまず、食事と運動からです。そして必要に応じて経口血糖硬化剤を使います。病気が進行しますと、1型のようにインスリンが足りなくなる事があり、その場合はインスリンを使います。

食事については、カロリー制限を必要とします。これには個人差があるので、主治医の方にご相談ください。大体、1日1500キロカロリーから2000キロカロリーぐらいまでです。患者さんの身体の大きさ、減量の必要性、患者さんの生活習慣などにより、お勧めのカロリーの量が変わってきます。出来るだけ、脂肪分の多い揚げ物などは控えめにすることをお勧めいたします。脂肪分は少量でも高カロリーで体重を増やしやすく、その上すでに合併症として高くなっているコレステロールをさらに高めるからです。もう一つ控えたいのは砂糖です。穀類でも、漂白された白米などは砂糖に近いので、摂り過ぎに気をつけて下さい。最近はとても良い甘味料なども出来ていますので、甘いものがどうしても欲しいと思われるときは、砂糖の代わりにそれらを使うことをお勧めいたします。

次に運動です。運動は、少なくとも一日30分以上していただきたいものです。歩く事でも庭仕事でも、自分が楽しめるものが長続きすると思います。これも体調などにより個人差がありますので、主治医の指示のもと、適当な量の運動をしてください。

経口血糖硬化剤、インスリンの使用の判断は専門医にお任せください。2型も合併症が多く、身体のあらゆるところに出る可能性があります。この病気は主治医と相談しながら、上手くお付き合いされるとよいでしょう。

2016年7月20日 水曜日 10:44

糖尿病の話(1)

食欲が旺盛で甘いものをよく食べる私は、「糖尿病に気をつけて下さい」とよく言われます。確かにこの病気になりますと、食欲が必要以上に高くなり、それと同時に糖の利尿効果のため、喉が乾くようになります。医者である自分が注意されるのは面目なく、多少なりとも注意をしています。

この糖尿病という疾患は、身体のブドウ糖の代謝に異常が起こることにより出る病気で、通常はインスリンが働いて血液の中のブドウ糖を細胞の中に移動させてくれるのですが、糖尿病の場合、このインスリンの働きがうまくいかなくなっている為、ブドウ糖が血中に溜まってしまいます。こうなりますと体内にはブドウ糖がたくさんあるのに、細胞の中にないため、身体は十分なブドウ糖が摂れていないと錯覚し、空腹感を促すのです。

この病気は大きく分けて、1型と2型があります。1型は感染症や自己免疫のため膵臓からインスリンが分泌できなくなってしまうタイプです。1型が診断されるのは小児期が多く、小児型と言われる事もあります。初めの症状は多くの場合、頻尿と脱水です。子供なので理解されず、クラスをサボりたくてトイレが近いと誤解される事も稀ではないようです。1型の患者さんたちの体型は痩せ気味で2型とは対照的です。なぜ痩せているかと言いますと、インスリンは成長ホルモンの一種でもある為です。

1型が疑われた場合、言うまでもなくすぐに診断して、治療を始めなければいけません。急性合併症で代表的なのはケトアシドーシスと言い、昏睡状態を引き起こし、速やかに集中治療を必要とします。慢性合併症は身体のあらゆるところに現れ、目の網膜と角膜、腎臓、神経等に異常が起こります。

1型の治療は的確なスケジュールでインスリンの血糖値を正常値に近く保つ事です。多くの患者は成長期の子供たちですので、食事の制限は比較的少なくし、他の子供たちと一緒に行動できるようにする事が大切です。

2型は成人してから発症する場合が多く、一般的に大人型とも言われています。大人型については、次の機会にもう少し説明させていただきます。

それではまた。

2016年6月20日 月曜日 12:22

湿疹の話

暑くなってくると、汗をかいたり肌が蒸れたりして、湿疹などが発症しやすくなりますね。もちろん、湿疹というのは夏だけに限られたものではなく、多くは一年を通じて色々な原因のもと、様々な形で現れます。湿疹は皮膚が炎症を起こしたために起こる症状なので、炎症の原因を把握したうえでの治療がとても大切です。大きく分けて炎症の原因には、アレルギーによるもの、自己免疫症(膠原病など)によるもの、感染によるもの、そして腫痬によるものがあります。

アレルギーとは、食事や薬、化学製品など外部からの影響に対して体が異常反応することを指します。その場合、対処法として最も優先されることは、それらの反応を促す物質を避けることです。そのうえで、必要であれば抗ヒスタミン剤やステロイドなどの抗炎症薬を処方し、炎症自体を抑える方法もあります。炎症自体があまり長く続くと、皮膚が半永久的にダメージを受けることがありますので、それぞれの原因に対処したうえで、炎症自体を抗炎症薬により一時的に抑えることも重要です。

次に自己免疫症によるものですが、これは膠原病や全身硬化症などの疾患を指します。アレルギーと違うところは、外部からの異常反応の原因となる物質が無いのにも関わらず、皮膚が異常反応を起こすことです。ですので、この場合は炎症を緩和することが優先され、抗炎症薬による治療が中心となります。内服薬や塗り薬などがありますが、根底治療ではありませんので、それらを使用するにあたっては、医師とよく話し合うことがとても大切です。

そして感染では、水虫などの原因となる真菌によるものが多いです。しかし、ウィルスやバクテリアによる感染もあり、何による感染であるかを診断することがとても大切です。炎症した皮膚の状態は、乾いたものからただれものまでありますが、どちらも感染を治療することが第一で、それと併用して、抗炎症などが必要となることもあります。

最後に腫瘍によるものですが、これも感染と同じで、原因となる腫瘍の種類を診断することが重要です。多くの場合、生態検査が必要とされます。湿疹の原因が腫瘍である場合、そのほとんどは血液系の癌で、治療法は抗癌剤が使われます。

以上のことを簡単にまとめますと、湿疹といえどもアレルギーから腫瘍によるものまで原因は様々です。湿疹が発生したとき、特にそれが長期にわたる場合、専門医による早期診断と治療がとても大切です。適切な診断と治療で、なかなか治療しなかった湿疹も簡単に治ったという例が多くあることを覚えておいてください。それではまた。

2016年5月19日 木曜日 10:37

日焼けの話

気がついてみればもう今年も5月半ばを過ぎ、日中の日差しもだいぶ強くなってきました。

そこで今日お話したいのが、日焼けについてです。日光浴をされる方は無論、そうでない方も暑くなるとどうしても露出される皮膚の部分が多くなります。日焼けも身体がメラニン色素の保護により皮膚が守られる程度なら良いのですが、度を過ぎますと火傷と変わりません。日焼けの原因となる日光の紫外線の中で、最も皮膚に害を及ぼす短波長紫外線(UCV)は大気のオゾンが取り去ってくれます。しかし中波長(UVA)と長波長(UVB)の紫外線は十分に残っておりそれらに直接あたると、なんと15分未満で日焼けが始まります。

メラニン色素の防御反応は個人差があり、地肌の黒い人ほど紫外線に皮膚のメラニン色素の反応が強いので日焼けによるダメージは少ないです。逆に肌の白い人は紫外線のダメージが大きいため特に注意して頂きたいです。まず大切なのは、直接紫外線が当たる部分を減らす事です。天気の良い日に以外に居る時間が長くなる場合皮膚の露出部分を出来るだけ減らしてください。つばの大きい帽子をかぶるのも大切です。首の後ろ辺りの事をよく忘れるのでできるだけつばが後ろにもあるものをかぶってください。そうでなければタオルなどを首に巻いてその部分を直射日光から守ってください。サンスクリーン(日焼け止めクリーム)もとても大切な役割を果たします。SPF表示というものがあり、それが高いほど日光から皮膚をカバーします。ある意味で薄着をするようなものと考えてくださってもよいです。

午前10時から午後2時頃までの直射日光は特に避けるべきだと一般に勧められています。日光浴をする場合でもその時間帯は避け、時間として一日に15分位で切り上げる事です。その時間帯にどうしても外に居ないといけない場合、身体を薄着でもよいですから頭から足まで十分にカバーしてください。

日焼けのダメージは熱症から皮膚ガンまで様々です。もし身体が痛くなるほど焼いてしまった時は十分に水分を取ったうえ、濡れたタオル等で皮膚をよく冷やし、必要であれば、熱症用のローションを使ってください、水ぶくれができたりするときは一度主治医に診て頂く事をお勧めします。又、避妊薬、精神安定剤、一部の抗生物質等は紫外線の影響を大きくするので注意してください。それでは又。

2016年4月20日 水曜日 12:16

便秘の話

体から外に出ていくべきものが出なかったり、出にくくなるのはとても辛いですね。排便が定期的に出来るのは多くの方々にとって、当たり前のように思えるかもしれませんが、それを可能にするためには、解剖学的に太さも長さも完璧で、生理学的にしっかりと機能する胃腸を必要とします。そしてそれ以外にも食べ物、飲み物、生活習慣、精神的な状態などが影響をもたらし、それらのどの部分のバランスが崩れても排便は難しくなります。

便秘の原因として最も多いのは、腸の一部に便の通りにくくなっている箇所がある、または腸の機能の低下によるものです。排便は毎日あるのが正常というわけではありません。しかし、少なくとも3日に一度ぐらいの頻度でない場合、または毎日排便があったとしても、残便感が何日たっても無くならない場合は、排便に医学的問題があると診断されます。

腸の機能を低下させる外部からの要因は様々です。まず投薬が考えられます。コデイン等の鎮痛剤を服用すると、胃腸の動きがゆっくりになります。量がある程度以上になると、胃腸の動きが止まることもあります。食物のバランスが崩れ、水分が減ったり、繊維が十分でなくなると、腸管内の便が流されていくのを難しくします。排便の時間を取り難いお仕事に就かれていて、生理的な便意を意図的に抑え続けるために胃腸の動きに変化が起こり、便秘になられる方々もいらっしゃいます。それから精神的な重荷のため、消化、排便に影響があり、便秘または下痢につながることも要因の一つです。

性別的にみますと、便秘は女性の方が多く、逆に男性はどちらかというと下痢気味の問題が多いようです。便秘の頻度が女性に多い理由として挙げられるものは、ホルモンの影響、食事の量、社会的な立場上便意があっても自由に排便に行きづらい、出産のため骨盤が広く、腸がその部分で下垂になりやすいなどです。

予防として食事のバランス、適度な運動、精神的な安定などが勧められます。治療としては繊維類の摂取を増やし、水分を十分に摂り、体を十分に動かし、便意が出た時に排便に行きやすい環境を工夫して作ることです。その上で軟便薬、下剤、浣腸などを必要に応じて使用されることが理想的です。とりあえず下剤などに頼る前に一度、主治医または専門医に相談されるべきです。腸管内に新たに出来た癌などの疾患も便秘の原因となります。代替治療も考慮することには問題はありません。ただそれをするにあたり、主治医の意見も一応聞いておくべきです。それではまた。

2016年3月18日 金曜日 11:39

頭痛の話

大半の方は頭痛を経験された事がおありだと思います。頭痛の苦しさはそれがある時はとても辛く、それが消えた時のうれしさは快感と言えるぐらいありがたいものです。
さて、私たち一概に頭痛と言いますが、これにも種類が多くあり様々な原因により起こります。特に皆様に知って頂きたい大切な点は、頭痛にはとても痛くても大事に至らないもの、軽い痛みだけれども深刻な疾患の表れとなっているものがあるという事です。

まずあまり大事には至る可能性は少ないけれどもとても辛い頭痛についてお話してみましょう。それらの代表的なのが片頭痛、群発頭痛、筋緊張性頭痛です。はじめの二つは血管が拡張するのが原因であるとされています。セロトニン等分泌物のバランスの変化又は、三叉神経に対する刺激で起こると理解されています。偏頭痛に関しては名前の通り頭の片方半分に痛みを感じられる時が多く、ズキン、ズキンと脈打つような痛みを伴います。痛みの引き金となるのは明るい光が目に入ってきた時、激しい運動を終え一息つく時などです。痛みが続くのは数時間から多くも数日がほとんどです。それに比べ群発頭痛の方は年に一度か二度、毎日続けて一月ぐらい群発的に起こり痛みも片方とは限らず涙、鼻水、瞳孔の縮小などの症状が伴う事が多いです。筋緊張性頭痛は肉体的又は精神的ストレス等による筋肉の緊張によるものです。どれも臓器などには直接ダメージの無いものですが、痛みはとてもひどいので、医師の診察を受け適切な処方をしていただく事をお勧めいたします。

次に生命に危険のある頭痛の兆候です。1)高齢になられて初めて頭痛を経験される、2)朝末明から頭痛がある、3)持続性があり日を増すにつれて少しずつひどくなっていく頭痛、これらは、頭蓋骨内に圧迫がある事を促しています。硬膜内外の出血、脳梗塞、脳腫瘍などの疑いももたれますので、できるだけ早く診察を受けてください。特に神経症状、精神症状を伴うものは、すぐに救急室などで見て頂いて下さい。これにはてんかん、急に周りの事が良く分からなくなった、車の運転が怖くなった等という症状も含まれます。

危険兆候の一つで典型的なのが急激に起こる今までに経験した事が無い、ひどい割れるような頭の痛みです。この場合、神経症が伴っていても伴わなくても、くも膜下出血の疑いがあります。
発熱、発疹を伴う頭痛も、特に子供の場合は危険です。脳炎や脳髄膜炎の恐れがありますので、すぐ診て頂いて下さい。
最後に高血圧も頭痛の原因です。まだ続けたいですが、今日はこの辺で又。

2016年2月18日 木曜日 10:27

バイタルサインの話

バイタルサインと言いますと、血圧、脈拍、呼吸数、体温のことを指します。お医者さんのオフィスに行ったことのある方でしたら、誰もが調べていただいたことのある数値だと思います。バイタルサインはとても簡単に測ることができるせいか、ついその価値を見過ごしてしまいそうになる時がありますが、それはとても危険なことです。診療をする立場にある者にとって、このバイタルサインは、大切なとても多くの健康に関する情報を与えてくれる、診断、治療にとても大切な道具だからです。という訳で、今回は皆様にも比較的簡単に測ることの出来る、このバイタルサインを通して、健康状態に関するどのような

情報を得ることが出来るかなどについて、お話させていただきます。

まず、血圧です。高血圧症については、先天性のものもあれば、身体の一部の兆候として現れる場合もあります。高血圧になりますと、それ自体があらゆる臓器の負担になるので、気をつけなければなりません。持続的な高血圧はもちろん治療しなければなりませんが、それと同じぐらいに注意を払わないといけないのが、いつもはないはずの数値の変化です。安静時の普通血圧の上が130台のはずなのに、体がだるいと思って血圧を測ったところ、160以上もあったなどという時は、腎不全、脳梗塞、虚血性心臓疾患などの疑いも考えなければいけません。寝不足や異常な疲労を伴う時も、血圧が急上昇する時があります。血圧でもう一つ知っておかなければならないのが、低血圧です。通常から低めの方もいらっしゃいますが、脱水症、敗血症(ばい菌が血液の中で繁殖し始めた時に起こる疾患)、出血、神経性の血管拡張などが考えられます。

次に脈拍ですが、正常とされているのは、1分間に60から80拍のほとんど一定なリズムでの鼓動です。リズムが乱れていれば、心臓や甲状腺の疾患からくる不整脈などを考慮します。安静時、脈が早い時は、先ほどあげた心臓や甲状腺の疾患に加え、刺激物などの服用、敗血症などによる血圧の降下などがリストされます。1分間の心拍数が少ない場合も、診断上ミスをしてはいけません。運動選手などは、心拍数が1分間60以下の方々が多いですが、それは例外として、だるさなどを伴う低心拍数は、心筋炎や拡張性心筋症の恐れがあります。

呼吸は、呼吸器に少しでも問題があると、速めになります。体に熱があったりしてもそのようになります。またそれとは反対に遅くなる時は、鎮静剤や麻薬の服用、脳神経の疾患などの可能性を考えなければなりません。

最後に体温ですが、感染の場合大抵体温は上がりますが、時には下がる場合もあります。特にお年寄りが重症な感染にかかられた時は、そのようになりやすいです。その他、腫瘍、脱水、薬物反応などでも体温は上昇します。

今回は簡単にバイタルサインについてお話しましたが、皆様も定期的に自分の健康の目安として測ってみてください。

2016年1月20日 水曜日 15:23

運動の話

さて、お正月と言えば一年の目標ですが、今年は運動を目標とされた方々も多いのではないでしょうか。私も体重を減らし、運動ももっと定期的にすると、毎年のように目標を立てています。残念な事に思うほどできずじまいで一年を終えてしまうのですが、それでも七度倒れてもまた起きるの気持ちで、今年も運動と減量を目標としてみました。

今回は、適度な運動、またどうすることによりそれを持続できるかにつきまして、お話してみたいと思います。

適度な運動は健康を保つため、とても大切であることは言うまでもありません。血圧を適度に下げ、コレステロールを正常値に近づけ、心臓、肺の機能を上げ、筋肉、骨を強化し、その他あらゆる成人病の予防となります。アメリカの大学卒業生を対象にしたあるデータによりますと、癌の発生率も、定期的に運動している人の方が50%から70%低くなっていると発表されています。これほどいいことが多い運動ですから、是非という気持ちになるのですが、どういうわけか、スポーツクラブなどでも会員のうち、定期的にクラブを使用されるのは20%かそれ以下と言われています。

やはり、時間が十分に取れない、あまり楽しくない、などが原因なのでしょうか。他にも色々な理由はあると思います。とりあえず、目標達成のために自分の身近にあるもので、始めることが良いでしょう。散歩などはとてもいいです。散歩をされるのなら、普通の健康状態の方は、一日8,000歩から10,000歩くらいの歩数を週3回から5回こなすことを目標とされるといいです。普通に歩いて、60分から90分ぐらいの運動です。出来れば、それが楽しいと思えるように工夫されることをお勧めいたします。例えば、自分の好む方と共に会話をしながらとか、音楽を聴きながらとか、自分の好きな景色の場所を選んでとかです。はじめから60分が無理であるなら、20分ぐらいとか、とにかく始めてみることです。時間は食後1時間から2時間が適当です。散歩以外にも上半身だけで出来る運動などもあります。

せっかくパターンが出来ても旅行など、色々な出来事で仕方なく生活習慣を一時的にでも変えると、どうしても運動の時間は忘れがちです。そのような時も運動は食事と同じぐらい大切だと心がけておくことです。心臓病、高血圧、糖尿病、骨の病気など、既に健康状態に問題がある方は、運動がかえって問題を起こす場合もあります。ですから、一度主治医に相談して下さい。ほとんどの場合適度な運動は、病気が重症でない限り許可されるはずです。

それでは、今年も皆さんと共に健康を目指して執筆していきたいと願っております。

2015年12月17日 木曜日 11:22

メタボリック症候群の話

最近よくメタボリック症候群という言葉を聞くようになりましたね。これは、肥満に似た意味を持つ病名ですが、それをもう少し詳しく定義した医学用語と思われたら良いと思います。この病名は内蔵脂肪が異常に増え、それに伴い高血圧症、高脂肪血症、高血糖症のうちの2つ以上を複合する状態を指しています。内臓脂肪が増えますと上記の疾患が出やすくなり、またそれぞれの疾患に伴う合併症、例えば心筋梗塞、脳梗塞、腎不全等に冒されやすくなります。

それでは、どのような人がメタボリック症候群を心配しないといけないのでしょうか。まず内臓脂肪が増えますとウェストが大きくなりますので、とりあえず脂肪のためお腹が大きいと思われれば、考えてみることです。ウェストがおへその高さで、男性85cm以上、女性90cm以上の方々です。そして更に高血圧症、高脂肪症、高血糖症のうちの2つ以上が有ればこの診断が下されます。私の意見としては内臓脂肪が多すぎる場合、メタボリック症候群と診断されるまでいかなくとも、内臓脂肪が減るように努力するべきだと思います。内臓脂肪が必要以上に増えれば、高血圧などが出るのはもう時間の問題と思えるからです。残念な事ですが。

内臓脂肪が増える原因は結構簡単な事で、食べ過ぎと運動不足です。逆に言えば、食事と運動を適切にしていれば、内臓脂肪は正常なレベルに保つ事が出来るという訳です。

食事の量は身体の大きさや一日の運動量によって違ってきますが、体重1kgにつき1日30から35kcal位を目安にされると良いと思います。ほとんどの人は、身体がどれだけのカロリーが必要なのか空腹感で分かるはずです。しかしそうするには早食いではいけません。ゆっくりとよく噛んで食事をして下さい。身体に必要な栄養素が入れば満腹感がでるのですが、栄養素が口から血中に入るまでに、少し時間がかかります。早食いをしますと満腹感がでる前に、余分なカロリーをすでに胃の中に入れてしまった状態になっており、それらが血中に入る頃には食べ過ぎたことを後悔している事が多いのではないでしょうか。それから食事は出来るだけ動物性脂肪を控え、穀物、野菜、豆類、果物、ナッツなどでバランスを取ったものをお勧めいたします。

次に運動です。これは1日30分位の有酸素運動が良いと言われています。これは早歩きなど、軽く汗をかく位の運動です。大切なのは定期的に続ける事です。

分泌系の問題で、内臓脂肪が他の人と比べてなかなか減らない方もいらっしゃいます。そういう場合は主治医またはカウンセラーに相談して下さい。それではまた。

2015年11月18日 水曜日 14:00

冷え性の話

 

寒くなると「手足が冷たい」「凍りそうだ」と訴えながら、「どうしたらいいのでしょうか」というようなアドバイスを求められることがあります。中にはもう少し深刻に、「冷たさが痛みに変わってきた」「しびれる」など、とても心配になる症状で苦しまれる方も少なくありません。これらは冷え性の症状ですが、面白いことに西洋医学では、「冷え性」という診断はありません。ですので、アメリカでお医者さんにアドバイスを求める時、あまり真剣に扱っていただけない可能性もあります。持論で申し訳ないのですが、このようなところに西洋医学の足りなさを感じます。勿論、東洋医学にも足りないところは多いです。それだけ人間の体と機能、そしてそれを侵す病気というものは複雑だということでしょうか。私の個人的な意見としては、西洋医学にしても東洋医学にしても、お互いの足りなさを認め、補充できるところは補充し合いながら、患者さんの必要をまず優先して用いられるのが理想だと思います。

本題の冷え性に戻りましょう。まず原因です。この患者は男女にみられますが、発生率は比較的女性に多いです。男女の筋肉の大きさの差が関係していると考えられています。体脂肪は体温を体の中に保つのですが、筋肉のように熱を発しません。筋肉は血流も多く熱を発散し、内側から体を温めるので、筋肉が少ないといくら脂肪があっても内側に保つ体温が減ります。

もう一つの原因は、ホルモンなどに影響される自律神経の血流のコントロールだと言われています。寒くなると、抹消血管は体温を外に逃がさないために縮むのですが、そのために低温にさらされている四肢が、一番冷たくなります。それに加え、指先の神経は特に繊細ですので、寒さを余計に感じるのかもしれません。

冷え性自体はある意味、体を寒さから守る反応と考えられます。しかし冷たさを感じる、痛みを感じるというのは、それに対して何かをしなさいという体からの信号です。それを無視すれば、神経や皮膚に問題を起こす可能性もあります。

簡単な対応は手足をはじめ、体全体を温めることです。血管を拡張させる薬なども少しは効果はありますが、体を温めることが一番、体が必要とする対処法でしょう。どうしても寒さの中で一定の時間過ごさないといけない場合は、四肢、そして体全体を十分に温かくできる服装を着用して下さい。最近では使い捨ての薄いカイロがありますが、それらを手袋や靴下の中に置くのも良いと思います。ある程度寒い時でも、十分な栄養をとり、防寒をしっかりとした服装をした上で体を動かせば、筋肉から熱が出るので、しだいに四肢も温まるはずです。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

113-0033 東京都文京区本郷2-20-11 石飛ビル 1F TEL:03-6801-8250 / FAX:03-6801-6166
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