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Dr.新原の健康講座

2014年7月19日 土曜日 20:26

笑いと健康の話

 大学時代に「Anatomy of an illness」という本を読みました。その著者のノーマン・カズンズさんは有名な作家であり、人類学の学者で当時UCLAの教授だったのですが、大変大きな病気にかかり、もう助かる見込みはないと医者に宣言されたそうです。しかし彼は落胆するどころか、お笑いのテレビを見続けて,とにかく笑って笑って時間を過ごし、病気を屈服したと書かれていました。この本を読んだ頃は私もまだ若く影響されやすい学生でしたが、医学に進もうとしていた時期だったこともあり、さすがにカズンズさんの本に書かれていることを素直に受け入れられませんでした。しかし、1986年の医学部卒業式の時、その気持に変化が起こりました。というのは、カズンズさんが主賓として招たのです。その時の講演でも,笑いで病気が治ったという話をされたのですが、さすがに本とは違い本人の話はとても説得力があり、やはりあの話は本当なのかなと思うようになってきたのです。

 そのような経緯の中で私は、心の持ち方と健康にとても興味を持ち始めたのですが、調べてみると笑いが体にどれほど良いかということは、医学学的にも沢山のデータが出ているではありませんか。こんなところにも健康の源があるかと気がついた次第です。

 前置きが大分長くなってしまいましたが、具体的に笑いが生理学上どのような効果があるのかを簡単に説明して、それから医学的にも、病気の治癒のためどれほど笑いや平安な気持ちが大切かということを述べてみましょう。

 まず十分に証明されていることは、笑いはストレスを解消するのに役立ち、余計な筋肉の緊張を防ぎます。そうなると血圧が適当に下がり、血行がよくなり、酵素が細胞に十分に行き渡ります。それから鎮痛効果のあるエンドルフィンとういホルモンが分泌され,体中が気持ち良く、また効率よく働けるようになります。

 そのような生理的効果があると、医学的にも心臓病、高血圧症、糖尿病などにとても良い効果があることが証明されています。その他にも、ウツなどの精神疾患や免疫降下による感染病、癌などにも効果があるのではと言われています。

 昔から諺で「笑いに勝る良薬なし」や「箪笥長持ち持ってくるより笑顔一つの嫁が良い」など笑いに関するものは多いですね。そして、それらがどれをとっても、笑いが私たちの生活の中でとても大切であることを示しています。昔からの諺が、最近の医科学で本当だったと証明されてきているわけですが、物質的には豊かになった現在、笑いが少なくなってきているのではないでしょうか。無理にでも笑ってみるのも面白いかも知れませんね。

2014年6月13日 金曜日 18:59

脱水症の話

 ここロスアンゼルス近辺では例年より涼しい日々が6月に入っても続いていましたが、この数日やっと夏らしい天候になってきました。この地域は湿度が比較的低く、気温も常に高めですので、過ごしやすい気候だとよく言われますね。でもそんな中、気を付けるべき点も多くあります。特に脱水症には気を付けていただきたいです。

 なぜ脱水症にあえてこだわるのか?と自分に質問するのですが、その答えは、私たちの健康においてその水の大切さでしょう。私たちの体の大半は水でできています。体の水分の占める割合は生まれた時の90%を頂点として年齢とともに大人になるまで少しずつ減りますが、大人になっても約60%は水分です。水分が十分体に含まれていると、強い日差しにも、乾燥した空間にもある意味、一番の防御になります。ただし、そのためには常に水分を補給しなければなりません。砂漠などの乾燥した高温の場に日中さらされますと、気温が摂氏35度位で1時間に1~1.5リットリの水分を失います。砂漠地帯の国立公園などもありますが、そのような場への外出時は必ず水を持って歩かなければなりません。少し迷子になった、予定より30分余計に歩かないといけないなどという状況で、水があるかないかが大事に至るかどうかを左右する場合もあります。

 ロスアンゼルスは今こそ立派な都市ですが、地域的には砂漠地帯です。海の側はまだいいほうで、20㎞も内地に入れば、紛れも無く砂漠気候です。気温が摂氏30度を超える日の長期外出は水分の補給を十分に計画し準備なさってください。お子さんたちを連れて公園などに行くときは特に大切です。子供は大人より体重に比べて水を多く必要とします。遊びに夢中になり、脱水して日射病になるケースも南カルフォルニアでは少なくありません。

 そして、年配の方々です。彼らは色々な理由で水分を取るのが少なくなり、脱水症になりやすいです。勿論、腎臓病などで水分の摂取量が制限されている場合もありますが、バランスよく体に必要な水分が保たれているようにしてください。発熱、下痢、嘔吐などは脱水症を促しますので、特に注意していただきたいです。頭痛、発熱、意識の異常なども脱水症の症状です。

 水分補給の必要性は状況によって大分違いますが、一般的に健康な方は普通の生活上、一日大人でコップ8杯から10杯の水を飲むよう勧められています。ゴルフなど外で過ごす時間の多い方々は粘液に通常以上の粘りがでたり、唇がかさかさになるのを防ぐのを目安にされるのも一つの方法です。最後に、脱水状態の時、アルコール飲料は禁物です。

2014年5月16日 金曜日 13:43

寝不足の話

 こんにちは。今回は寝不足についてですが、これは不眠症とは少しニュアンスが違います。私がお伝えしたいのは、最近いかに多くの方が仕事や娯楽のために睡眠を軽視し、健康を犠牲にしているかということです。不眠症の方々は寝ようと思っても眠りにつけず困っているのですが、現代人の多くは眠気があって眠るべき時でさえ、それを無理に抑えて睡眠時間を削っています。

 まず、睡眠の大切さを少しお話しさせていただき、その後、実際に寝不足がどのように体に負担を与え、健康の妨げになるかを一緒に考えてみましょう。

 私たちが起きている間は脳も体も活発に動いていて、ホルモンなどが体内に多く分泌されます。また筋肉や臓器の細胞も忙しく活動しているため、体の疲労回復のためのメンテナンスや再生を必要とします。活発な活動の後、体の中に疲労物質というものが溜まります。それは、細胞の活動や修復のために使われた成分のカス、または排出物のようなものですが、それがある程度以上になりますと脳に信号となり送られ、体を休めて細胞のメンテナンスや再生をするように促します。

 このメンテナンスと再生を怠ると、体は老化する一方です。寝る時間を一日や二日削った程度ではあまり感じることはないかもしれませんが、寝不足が続くと体の働きの能率は確実に低下し、子供でも大人でも細胞の成長が遅れます。睡眠は食事や運動と同じように、体の健康を創り維持するためには不可欠なものなのです。

 それでは、実際に寝不足が続くとどのような問題が体に起こるのかを具体的にいくつか挙げてみましょう。まず、私も経験したことがあるのですが、理解力、分析力がとても鈍ります。例えカフェインなどの効果で目は覚めていても、よく休んだ時と比べ、同じ仕事をするのに数倍の時間がかかるだけでなく、仕事の質がとてもお粗末になります。ですので、私自身は時間が許す限り、あえて大切な仕事は十分な休みの後に回すようにしています。

 筋肉や臓器に関して言えば、睡眠をしっかりといっていないと細胞の再生が十分にできないために負担が溜まり、不全をもたらします。免疫についても同様で、確実にその力が下がるため感染病などにもかかりやすくなり、外傷なども治りにくくなります。そして又、寝不足は肥満にも繋がります。なぜなら一つの理由として、食欲はストレスなどで増やすのですが、疲労によって運動量そのものが減ってしまうからです。睡眠を削ることは活動時間が増えるように思えそうですが、実際には体の能率を下げ、極端な場合は寿命をも短くするのです。ですので、適度な睡眠を大切にしてください。それではまた。

2014年4月18日 金曜日 09:55

花粉症の話

暖かい季節になりましたね。私の近所でも今年も色とりどりの花が咲き始め、木々も青々としてきた。……。まではよかったのですが、それと一緒にくしゃみ、目のかゆみ、そして、涙、鼻水、と例年のごとく花粉症もちゃんと戻ってきてくれました。たいていの場合は、〝重症″と言いがたく、あまり大げさにするには恥ずかしいような気もするコンディションですが、兎に角、厄介なものである事を否定する人も少ないと思います。

この疾患は、名前のごとく花粉などによるアレルギーです。春になりますと色々な粉状の蛋白質の物体が大気の中を飛び回るようになります。私達の体というのは、本来、外敵に対抗する為に抗体を作るのですが、それは、バクテリアとかウィルス等から体を守る為です。外敵というのは殆ど蛋白質の成分を持っていて、抗体はそれらに対して作られます。勿論、蛋白質でも、外敵でないものに対して体は、抗体を作らずにそれらを受け入れ、共存できるようになっているのですが、その働きが上手くいかなくなり、外敵でないものに対しても抗体を作ってしまう時のことをアレルギーと呼んですます。

花粉症の症状は上記の通りで鼻炎、結膜炎、微熱などによるものが殆どで、それほどの病気でもないのに、普通に仕事をしたり生活をしたりするのが難しいですね。一世代前と比べてこの疾患をもつ人口が増えた理由として、世の中に加工物、公害が増えた為ではないかとの仮説も取り上げられております。花粉等、自然の蛋白質だけなら花粉症になる率はそれほど高くないのですが、それらに公害や加工物等が合わさった時、抗体が出来やすくなると言うことです。そして、一度花粉症になってしまうと花粉等自然のものだけが鼻の粘膜などにくっ付いても体が抗体によって反応してしまいです。

まだ花粉症の症状が出ていない方は予防として、室内浄気機などを使い、できるだけ顆粒子の少ない空気の中で多くの時間を過ごすことができれば良いでしょう。しかし、なかなか現実的には難しいですね。外ではマスクをして空気をフィルターすることも一つの方法です。

症状がすでに出ていらっしゃる方は、シャワーなどの蒸気で粘膜を潤すことにより粘膜の炎症をある程度抑えることができます。薬は抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤、ステロイド剤、プソイドエフェドリン等、様々です。これらの薬は皆、症状を抑える薬で、病気の根本は治せません。ただ症状を放っておくと、粘膜等に弊害として感染を起こしたり、また、脱水症状など起こす場合がありますので、主治医と相談しながらそれらの薬をお使いください。根本治療についてはアレルギー専門医にご相談ください。代替治療も見直されてきておりますので、そちらも、主治医、又専門の方々と相談されながら、考えられても宜しいのではと思います。ただし、代替治療はあまり規制がないので、その辺を特に注意してください。

2013年3月1日 金曜日 00:00

寒さと病気の話

 人間は熱を出す生き物で大体体温を摂氏36.5から37度ぐらいを保っております。当たり前ですが通常は服を着ているので体温より摂氏11度から15度くらい低めで適当に湿度のある気候が過ごしやすいといわれています。あまり暑すぎても寒すぎても体にそれなりの負担がかかります。
 さて今回は寒さに焦点を置いて少しお話をします。
 よく寒さと飢えの辛さを語った物語などが多いですが、いったい寒さとは私達の健康状態にどのような影響を及ぼすのでしょうか。まずは風邪、寒い気候の時には風邪またはインフルエンザになりやすいのは皆様の知ってのとおりです。どちらもウィルスによる感染病ですが、冬にかかりやすい理由の一つとして考えられるのは乾いた空気です。乾燥した空気の中では鼻や喉の粘膜も乾いてしまい、外からの病原菌の進入を防ぐのが難しくなりますので、うがいや加湿器などでの予防が効くようです。外出などの後には手をよく洗うことも大切です。そしてまた体が冷え込みますと血液の循環能力が低下して免疫関係の細胞が体中を十分に動き回れなくなることも関係があるようです。適度の運動をして血液の循環をよく保ちたいものです。
 その次によく心配されるのは、脳卒中と心臓疾患を含む循環器系の病気です。寒くなりますと体温が下がるのを防ぐために血管が収縮して血圧の上昇につながります。そうしますと、上記の疾患に侵されやすくなります。11月の半ばから春先にかけて脳卒中の発生率は高くなります。特に寒波が4~5日続いた後に多いようです。
心臓発作なども典型的なケースは、お腹一杯に食事をした後、寒い中を散歩したときに胸に異常を感じるというシナリオです。その他、寒さというのは体のあらゆる部分に影響します。皮膚、腎臓、膀胱、目など、一つひとつ挙げていきますときりがありません。こう書きますと、寒さとはとても恐ろしいような気がしますね。しかし人間の体はとてもよく出来ていまして結構過激なストレスにも耐えられるようになっております。でもわざわざ頻繁に、ストレスにかける必要はないですよね。たとえば、自動車にしても普通の運転では必要のないような機能が多く積み込まれておりますが、そのような機能に頼り頻繁に無理を車にかければ新車でも早く壊れてしまいます。少し弱いところのある車でしたら余計です。私達の体や体力は人それぞれですが、寒さなどによる必要以上のストレスをかけるのは非常事態のときと他にどうしようもないときだけにしたいものです。(本当に、当たり前のことですが、)寒いときは、適当な服装で適当な温度と湿度の部屋にいるのがよいでしょう。ちなみに、適当な湿度とは個々の好み、また体質の違いによりある程度のばらつきがありますが40%から60%ぐらいです。適当な運動もお勧めです。運動は熱をつくりますので、寒さの対処としてはとてもよいですし、体の循環もよくします。ただ注意していただきたいのは、部屋の中ではなく外の寒い中で運動をして、汗をかいたときそのまま寒い場所に居続けないことです。かえって体を冷やしてしまいます。それと心臓など循環器系の疾患のある方は寒いときに外での運動は、避けたほうがよいです。それは散歩程度でもです。どうしてもという場合は主治医の先生によく相談してみてください。
 寒さと上手につきあってよい冬をお過ごしください。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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