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Dr.新原の健康講座

2015年10月22日 木曜日 14:09

乾き目(ドライアイ)の話

講演を依頼されました時、質疑応答の際「乾き目」についてのご質問がありました。よく考えてみると、この症状に関することは最近よく聞かれます。というわけで、今回のトピックは「乾き目」についてです。

「乾き目」は涙の出る量が減ることにより起こる現象ですが、症状は軽い目の違和感から瞬きをするのも痛むほどの重症まであります。涙というと、主に感情の表れの対象のようにも思われがちですが、目の健康のためにとても欠かせないものです。涙は、血管のない角膜やその他の部分に栄養素を運び、目に入ってくるごみやほこりを常に掃除してくれます。その上、目の動きのスムーズさを保てるように潤滑液としても大きな働きをしています。涙の成分はほとんど生理食塩水と同じですが、深く分析しますともっと複雑で、現在の医学でも分析しきれないところがまだまだある、神秘的な液体です。

この涙の量がある程度減りますと、違和感だけでは済まず、実際に目を傷つけ目の健康を危うい状態にします。「乾き目」の重症なケースでは失明する可能性もあります。

原因は環境による影響から自己免疫症まで様々ですが、何が原因であっても言うまでもなく「乾き目」は出来るだけ早く対処しなければなりません。目が乾く時はとりあえず「乾き目」用の目薬などを頻繁に点眼して下さい。その上で原因を調べ、根本的な治療ができるようにされるのが理想的です。環境の原因は湿度の低下です。ヒーターの入った部屋、寒くて乾いた冬の空気などは目の乾きを促します。加湿器や目薬を使い、それに対応して下さい。女性の場合、閉経期に入りますとエストロゲンの低下に伴い涙の量も減ります。これは病気ではありませんが、この状態は乾いた空気の中では特に「乾き目」を起こしやすいので、目薬の点眼を心がけて下さい。コンピューターの画面も長時間見ていると「乾き目」の原因になりますので適当に目を休め、必要に応じて目薬を点眼して下さい。

少し厄介な原因はショーグレン症候群という疾患で、それは涙腺を傷めます。この疾患こそ重度な場合、失明をもたらすことがあります。「乾き目」が感じられる時はこのような原因の可能性もあるので、とりあえず医療機関での検査をお勧めします。

涙があるのは当たり前のように思ってしまいますね。しかし、そのように当たり前に思われる体の成分の一つ一つの大切さを時々思い起こし、それがあることを感謝するのも健康維持の秘訣なのかもしれませんね。

2015年9月17日 木曜日 14:04

口内炎の話

私事になってしまいますが、身体に無理を強いて仕事をしたり、旅行をしたりした後はよく口内炎が出ます。始めに口の粘膜が一部荒れてきたような感じがしたかなと思うと、次の日にはそこに潰瘍が出来ていて、結構ひどい痛みが伴います。似たような経験をされた方も、読者の皆様の中には多いのではないでしょうか。ここに描写されている口内炎は、再発性アフタ性口内炎という種類のもので、一般的に口内炎といいますとこの種のものを指します。これは疲れた時などに多く診られ、原因ははっきりと分かってはいないのですが、ビタミン不足であったり、粘膜が比較的弱くなっていたり、噛んだりして粘膜を頻繁に傷つけたりしているとなりやすいようです。大抵の場合、発生後一週間から十日ぐらいで治りますが、他の病気などで身体の調子が良くない時などはもっと長引く可能性もあり、身体全体の休息、健康回復が大切になります。時には二次的感染する時もあるので、できるだけ口の中を清潔に保つようにしていただきたいです。

この口内炎になった時に、一番大切なのは十分な栄養素と水分を摂ることです。痛みなどでそれらが妨げられる時は、主治医に相談して下さい。たかが口内炎であっても、そのような場合は身体に大きな打撃となりかねません。幸いほとんどのケースは痛みを伴うのにも関わらず、栄養素や水分は十分に摂取できるので、何も特別なことをしなくても、一定の時が過ぎると治ってしまうのがしばしばです。治療としては、ビタミンをはじめ栄養素をバランスよく摂ること、そして疲労がたまらないぐらいのスケジュールを保つことです。必要であれば、痛み止めや専用の軟膏なども症状を緩和するのに役立ちます。

これは誰にでも当てはまることではありませんが、私は口内炎が出るようになると自分の生活やスケジュールを少し見直します。当たり前のような話ですが、まだインターンで当直が多い頃、よく口内炎が出ました。しかしそんな時でも、休暇になるとほとんど出ることはなく、私自身に関しては口内炎の発生が自分の身体の疲労にとてもよく比例しているようです。

ところで他にも口内炎の種類は色々あります。バクテリア、そしてウィルスなどによる感染によるものでもあり、アフタ性と区別して診断をしないといけません。バクテリアが原因のもので代表的なのはジフテリア、淋病、猩紅熱などで、どれも熱と身体全体の症状があります。それらは速やかな抗生物質の治療を必要とします。ウィルス性のものは疱疹、麻疹、単核細胞症などがあります。疱疹に限って抗ウィルス剤が効きますが、それ以外は症状緩和に加え、栄養素と水分摂取の維持が治療の中心です。バクテリアであれ、ウィルスであれ、感染によるものはアフタ性と比べ症状が重く、大抵、医療施設での治療が大切になります。自己免疫症が原因の口内炎もあります。

最後に、口内炎の原因が癌または前癌状態である可能性もあることを心得ていて下さい。それではまた。

2015年8月19日 水曜日 14:02

アトピー性皮膚炎の話

 

アトピーと言われる皮膚の炎症のことをよくお聞きになると思います。これは一般的にアレルギー性の湿疹を伴う皮膚炎を指します。ですから、感染による皮膚炎、早期の皮膚癌による炎症、やけどなどによる皮膚の炎症などとは異なります。アレルゲンと言われる、アレルギーの原因となるものは人により様々ですが、大半の場合それがはっきりと分かりません。アレルゲンを確定し、それを避ける事が出来れば良いのですが、現実的にそれは確定する事も避ける事も非常に難しく、治療は根治よりも緩和に焦点が定められ、時と共に体自身が根治に向けて働いてくれる事に頼るのが現状です。

少し結論的な説明から今日は入ってしまいましたが、話を少し元に戻して、発症、症状、治療について簡単に説明します。発症につきましては先進国の子供に多く、発展途上国にはほとんど見られず、生活環境が関連していると考えられています。遺伝的な要素もあると言われ、アレルギー性の他の疾患、例えば喘息や虫刺されに極端に反応する体質などが家族内に見られる場合が多いです。

症状としては、子供の頃から頭から顔にかけて、赤みがかった炎症と共に、皮膚が乾き、白い粉を吹いたようになります。そして成長と共に範囲が広がり、思春期頃には体全体に広がる慢性湿疹が見られる事も稀ではありません。眉毛の外側が薄くなったり、皮膚も慢性化された炎症により硬くなる事もしばしば見られます。そして痒みは常にあり、精神的にもとても負担が多くなります。

合併症を回避する事、またそう出来なかった場合は即診断、そして治療する事は大切です。特に気をつけていただきたいのは感染症です。皮膚は体の最も大切な外敵に対する要塞といっても過言ではありません。皮膚がありますお陰で、私達の周りにはびこっているあらゆる病原菌から、私達の体は守られています。しかし、皮膚による防御が皮膚炎などにより壊れてしまいますと、とても感染しやすくなります。黄色ぶどう球菌やヘルペスなどによる感染度が高くなるだけでなく、通常と比べ命に関わるほど重症になる事も多いです。

さて治療ですが、これは始めに述べた通りで、現代医学治療による根治のための治療法は、残念ですがまだ見つかっておりません。しかし多くの場合、成人する頃には完治しているか、大分よくなっています。もちろん、そうでない場合やまた成人になってから初めて発症するケースもあるのですが。

もしアレルゲンを除く事が出来れば、それに越した事はありません。それ以外でまず勧められるのは、不規則な生活やストレスを避け、バランスの良い食事を摂り、よく体を休め、清潔にする事です。それだけでも炎症を減らし、感染症などによる合併症を防げます。その上で主治医と相談した上で、抗炎症剤などを緩和の為、注意しながら使うことも効果がありますので、ご相談してみて下さい。それではまた。

 

2015年7月13日 月曜日 13:59

たばこの話

 

私が子供の頃は、右を見ても左を見てもタバコを吸っている人がいたような気がします。それと比べますと、最近は殆どと言ってもよいほどタバコを吸う人はそばには見当たりません。タバコを吸う方々にとっては肩身の狭い社会に日本もアメリカもなってきたかもしれませんね。

1970年代頃よりさかんになりました禁煙運動ですが、今もその勢いは上るばかりです。公共の場での禁煙がこの頃では屋外にも強制される様になってきました。なぜとも言うまでもないですが、今回はなぜこれ程タバコが規制されようになったか、又タバコを止めるのにはどうしたら良いのかについてお話してみたいと思います。

昔から、タバコを吸う事は、あまり体に良くないとは知られていましたが、医学的にそれが主張されるようになったのは1960年代位からだと思います。それまでは、タバコが肺病の治療のために勧められる時があったほどです。

まず統計ですが、毎年どれ位の数の人々がタバコが原因となる病気でアメリカで亡くなっているかご存知ですか?なんと、50万人以上です。肺がんだけでもその内の約15万人を占めています。その他、喉頭がん、食道がん、膀胱がん、肺気腫、心筋梗塞、脳梗塞、肺血栓等多くの疾患が喫煙のために起こります。勿論、タバコの害は喫煙者だけに害を及ぼすのではなく、その周りの人々をも害するので本当に困ったものです。

タバコの煙の中には何百種類という毒物が含まれています。その中でも最もよく知られているのは、タールと一酸化炭素です。タールは肺に入ってしまうとなかなか出て行ってくれません。あのべっとりとした感触を考えるとよくわかるような気がします。しかし時間はかかりますが、タバコを控える事により肺は少しずつきれいになっていきます。タバコを一本も吸った事の無い人の肺に近いぐらいなるには15年近くかかりますが、止める事により、毎日着実にがんなどの病気になる確率は下がっていきます。クールに含まれている、ベンゾピリンという化学物質が特に発がん性が強いと発表されています。

一酸化炭素も大変毒性の強いものでして、ほとんど瞬間的に血中へモグロビンが酸素を体の組織に送るのを妨害し、血管をはじめ体のあらゆめ組織に大変な負担をかけます。ストーブの不完全燃焼による一酸化炭素中毒死のニュースなど聞かれた事もある方も多い事と思います。そしてニコチンは特に依存症を促すものです。

このように、いいとこまったく無い喫煙です。今お吸いになられている方々はすぐに止める方向へ進まれます事をお進めいたします。今は色々の方法がありますので是非、主治医又はカウンセラー等の方々にアドバイスを頂いて下さい。

最後に喫煙者のご家族、お友達が理解を示し喫煙者の方々が禁煙に進んでゆけるように、ポジティブな励ましを示される事をお勧めいたします。

2015年6月24日 水曜日 13:51

お酒の話

“百薬の長い”と言えば皆様もご存知の通りお酒の事を指します。ただこの諺はまだ続きがある事も忘れてはなりませんね。お酒は“百薬の長い、万病の源”と言うのが正しく、都合のいい所だけを強調するととても危険です。

お酒にも色々な種類がありこのコラムではそれぞれについてお話しするのは無理ですが、一応アルコールによる薬用効果、そして害について今日は少し説明したいと思います。

まず薬用効果ですが、アルコールは消毒のためにとても役立ち、外用としての使い道は多いです。内服用としては一時的な血管拡張を促すので血行を良くさせ、身体を暖めるなどの理由でカゼ薬としてもよく使われます。そして最近よく言われる赤ワインなどにあるポリフェノールが動脈硬化を防ぐと言うデータが出ています。

しかし上記の効果はあくまでも薬用で、本当に少量ですむものです。出来ればお酒は控えていただくのが良いのですがどうしてもと言う場合は一日日本酒で一合ぐらいまでとして頂きたいのです。一合と言うのは約180ccの事で普通の小さめのコップ一杯分ぐらいです。これ位ですと大人の肝臓でも負担が比較的少なく代謝できるからです。毎日それ以上飲むと肝硬高や高血圧になることが示されています。血圧が上ると心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、腎不全、心不全など色々な病気にかかりやすくなります。一時的な飲み過ぎでも大変身体に毒性があり、血中濃度が0.4%を超えますとたいていの人は死亡してしまいます。0.4%と言うのは普通の人で血中に10ccから20ccぐらいのアルコールを静脈に直接入れた場合です。肝臓がしっかりとアルコールを代謝してくれないと一合のお酒でも大変な事になりかねません。

それから身体に直接は影響しないですが、恐ろしい弊害がお酒には沢山あります。まずは交通事故です。多くの死亡事故にはお酒が関わっています。本当に残念な事です。少しぐらい平気だろうと思っていてもお酒一杯目から私達の反射神経は鈍ります。家庭内暴力、貧困などもお酒が関わっている事が多いのです。依存症の診断を受けた方は完全にお酒を断つ事をお勧めいたします。それについてはぜひ主治医かカウンセラーに必ず相談してください。

最後にお風呂とお酒ですが、もしどうしても飲まれるのならお酒はお風呂の後にしてください。お風呂とお酒両方で血管を拡張してしまい、お風呂で低血圧になり倒れる恐れがあります。また入浴後少し身体が冷えた時に血圧が急に上がり、脳梗塞などを起こしやすくなるからです。それでは又この次まで皆様の健康増進を祈っております。

 

2015年5月18日 月曜日 10:20

コンピューターによる疲れ目の話

 疲れ目、もう少し専門的な言葉を使うと眼精疲労により困っている方々は結構いらっしゃるようです。ということで、今回は眼精疲労、特にコンピューター使用が原因となっている眼精疲労に焦点をあてて、お話を進めてみましょう。この問題に関しての簡単な対処法はコンピューターを使うのをやめることですが、今の時代それはとても無理ですね。交通事故を無くすために車を無くそうというのと同じぐらいナンセンスな考えかもしれません。実際、私自身も今コンピューターのスクリーンを見ながらこのコラムを書いております。

 目が疲れるといっても、目のどこが疲れるのだろうと思われる方も多いと思います。なぜなら、見るというのはどちらかというと受身の動作に思えてしまうからです。目は外から入ってくる光景、映像、プリントなどを受け止め処理しているだけのような気がしますが、見るためには実際にはたくさんの筋肉、神経が自動的に働き、目に入れってくる光や影を私たちが理解できるものへと変えているのです。ですので、体のほかの部分と同じように、疲れる要素は十分あります。簡単な例を挙げますと、それぞれの目の周りには六つの筋肉グループあり、それらが目を反射的にまたは意図的に見るべき方向へ目を向けてます。それ以外にもレンズをコントロールする筋肉、瞳孔の大きさをコントロールする筋肉などがあり、それらは常にとてもコンプレックスな仕事を難なく秒刻み以上のスピードでこなしています。

 コンピューターを使う場合、どうしても近距離で画面を見ることになります。ただでさえ、近くのものに焦点をあてると目は疲れるのに、蛍光を発する画面が目のすぐ前にあります。テレビを目の前で見続けながら、神経を張って文字を書いたり、読んだりしているようなものです。この場合、瞳孔、レンズをコントロールする筋肉が緊張し、張り詰めています。なぜなら、近距離のものを見る時も、明るい画面を目の前にする時も、それらの筋肉がもっとも収縮する事を必要とするからです。また蛍光は熱を発するので、どうしても目が乾きやすくなります。目にはとても負担です。

 対策として考えられるのは、まず30分に一度は目を休めることです。近くを見るのとは逆に遠くを見ることは目の筋肉を緩めます。色は自然の緑が目に優しいです。次に、出来れば画面にフィルターを付けて下さい。それは光の分散を防ぎ、必要のない電磁波が目に届くのを少なくします。それから画面を目線よりすこし下げることも簡単な手段です。そうするとまぶたの開きが少なくなり、目の渇きを減らします。生理食塩水の目薬を数時間毎に目に数滴入れるのもいいと思います。そしてできるだけ、画面が明るすぎなく、暗すぎないようバランスをとってください。明るすぎても、暗すぎても、目に負担になります。部屋の明るさと同じぐらいに保てるのが理想のようです。

 仕事に熱中すると私たちは目の負担を忘れたり、無視したりしてしまいがちですが、働き者の目も大切にしながら、上手く長く付き合いましょう。それでは。

2015年4月20日 月曜日 09:29

深呼吸の話

 長い間座って仕事をしている時、思い出したように深呼吸をする時があります。そうすると、体がすっきりして、頭の回転も少し速くなるように気がします。これは気のせいではありません。正しい呼吸は健康を維持するためにとても大切なのです。

 最近では、呼吸を基礎にした健康法が幾つもあり、多くの「呼吸専門家」たちによって伝え教えられています。私はそのような「呼吸専門家」ではありませんが、今回は医学的に立証されている、深呼吸の効果を挙げながら、それの大切さをお話してみましょう。

 深呼吸をすると、まず肺を開きます。私たちは長い間座っていたり、猫背にしていると、肺の一部分を閉じたままにしている状態を作ってしまいます。健康な人は肺は50%も使わなくても体に十分な酸素を吸い込むことができるので、そんな状態でも、別に息苦しくもなく、普通に活動できます。しかし、それが長く続くと使われてない部分の肺機能が弱くなってしまいます。その上、肺炎にもかかりやすくなります。ですので、定期的に肺全体を思い切り広げてあげることが大切です。でも深呼吸は頻繁にできるものでもありません。深呼吸ばかりしていると、呼吸のバランスが取れなくなり、体内の酸素と二酸化炭素などの比率が崩れ、頭がふらふらしてくるでしょう。深呼吸は激しい運動をしていない限り、一時間に数回で十分です。

 深呼吸で肺を開くと、そこを通る血管も拡張し、体全体の血行がよくなります。これは心臓をはじめ、体中の臓器に良い結果をもたらせます。机に向かった仕事のお蔭で少し眠くなったりするときも、血行の促進により、頭がすっきりとした気分になります。

 もう一つ面白しいのは、深呼吸をするとエンドルフィンは分泌されます。エンドルフィンというのは体の細胞をリラックスさせ、壊れた部分の治癒を促す分泌物です。イライラしている時なども、深呼吸をすると心が少し落ち着き、平安になるのもそのエンドルフィンの効果が関係していると思います。

 エンドルフィンの効果を一番分かりやすく感じられるのは、息を大きく吸い込んでから、少しの間息を止め、数秒後、息をスーッと吐き出す時です。その時体がふわーとした気持ちになりますが、それはエンドルフィンのお蔭だといわれています。私も時々、ストレスが溜まった時などそうしますが、体も心もすっきりとするような気がします。

 深呼吸は、身近にある健康法の手段ですね。皆さんもストレスが溜まったり、デクスワークに疲れたときなど、深呼吸をする習慣をつけてみませんか。

2015年3月20日 金曜日 17:03

乗り物酔いの話

 今の時代、乗り物に頼らずに生活するのは殆ど不可能と言っていいと思います。車、飛行機、船など、仕事やレジャーのために、大多数の方は乗り物をほぼ毎日利用されることでしょう。移動の時間を短縮し、旅を快適にするだけでなく、海外など自力では到底たどり着くことができない場所に行くことを可能にしてくれるのが乗り物です。しかし、今も昔も、この便利な道具につきものなのが乗り物酔いです。
 乗り物酔いは、産業革命後にできた近代的な乗り物だけに起こる症状ではありません。馬車、牛車、船などでも酔ってしまう人々が昔からいたようです。この疾患は、あまり慣れていない体の動きが続き、三半規官(耳の奥から私達の体の位置や体制のバランスをコントロールする器官)に負担がかかりすぎて起こる現象です。症状は、皆さんも経験したことがあると思うのですが、あくびから始まり、めまい、げっぷ、むかつき、嘔吐、脱水などです。その殆どは命に関わる心配はありませんが、それが長い航海などで数日続くとなると、脱水によるために起こる臓器不全に注意しなければなりません。そうでなくとも吐き気というのは、最も好まない感覚のうち一つと言えるでしょうから、出来れば避けたいものです。
 乗り物酔いを防ぐ為に色々な方法が試されてきました。これといった医学的論文となった研究はあまり無いのですが、一般的な知識、そして多くの方々の経験などから予防と治療法が開発されたようです。まず大切なのは、長時間乗り物前の寝不足を防ぐことです。乗り物に乗ってすぐ眠れるのなら問題は無いのですが、そうでない場合、寝不足は三半規管の働きを鈍くします。また、空腹よりは食べ過ぎでないようほどほどに食べておいた方が吐き気を催さないようです。しかし吐き気がひどい時に、無理に食べる必要はありません。その代わり、ある程度の水分は撮るべきです。最近の旅客機はゲームやテレビなど娯楽が盛りだくさんになってきましたが、乗り物酔いしやすい方は、あまり長い間、小さなスクリーンなどを見続けない方が良いでしょう。それとお酒も避けてください。船や車の場合、排気ガスの臭いの少ない場所、そして出来るだけ換気の良い場所にいることにより発症を防ぐことができるようです。酔い止めの薬は、処方の必要なものから、処方なしで購入できるものまで様々ですが、自分に一番合うものを何度か試しながら選んでいくことも大切です。必要に応じて主治医と相談してください。腎臓や肝臓に疾患がある方や、その他の病気を持っている方は、薬に関しては必ず主治医と相談してください。ちなみに、私は船に乗る時などはTransderm Scopという貼り薬を使います。
 それではまた。乗り物酔いを防ぎ、この春も多くの方々が良い旅を楽しまれますように。

2015年1月16日 金曜日 11:20

定期健診の話

 健康を維持するためには、いろいろなレベルで注意したり努力したりする必要があります。注意や努力という言葉には少々重苦しい響きがありますが、健康を維持するための「注意、努力」というのは、生活習慣の一部として取り入れることにより、思ったより容易に実行できるものです。上記の「いろいろなレベル」とは、予防、早期発見、症状対処の三つに大きく分けることができます。予防は病気になること自分を防ぎ、そして症状対処は、病気の症状が出た時それに応じた診断、治療をする医療を指します。

 定期健診の一番の目的は病気の早期発見です。病気になってしまっているのにまだ自覚症状もなく、診察した結果に異常があった場合、それに対して早期治療を促すための手段が定期健診なのです。一番大きな目的として、癌など、症状が出てからでは治り難しいけれど早期発見すれば完治する可能性が高い病気の診断と治療があります。もう一つの目的は、検査の対象となる疾患自体はそれほどの問題は無いけれど、放っておくと高脂肪症のように心筋梗塞などの二次的な疾患の原因となる状態の改善です。

 どの病気でも早期発見できれば問題ないですが、検査の正確さに限界があり、定期健診の対象となる疾患の数には限りがあります。現在、アメリカの定期健診の対象となっている癌の種類には、乳がん、子宮頸がん、大腸がん、前立腺がんがあります。日本では胃がんもその対象となっていますが、アメリカでは日本と比べると頻度がとても低く、公衆衛生学的には定期健診の効果があまり見られないので、健診には含まれません。しかし、日本で生まれ、成人してからアメリカに来られる方に、時々日本の人間ドックなどで胃がんの健診も受けるのが良いのではないでしょうか。

 アメリカの検診に戻りますが、まず乳がんについて述べます。一般的に乳がんの病歴が家族や自分自身に無い方は、40歳から乳房レントゲンを受けてください。一般に、2年続けて何もない場合は1年おきでも良いと言われています。家族歴、自己歴のある方は、主治医の指示があるはずなので、それに従ってください。次に子宮頸がんです。性的交渉が始まった時から、毎年必ず健診を受けてください。早期発見されればとても治りやすい癌ですが、発見が遅れると、治療率がほとんど無いといえるほどまで低下します。大腸がんは、一般的に50歳から内視鏡による健診を受けてください。これも2年続けて何も無い場合、2年か3年に一度の検査になります。しかし、大腸がんの家族歴または自己歴のある方は、主治医がそれぞれに応じた指示を出すはずです。前立腺がんも、50歳を境として検査を一年に一度受けてください。前立腺の健診の場合、前立腺の触診と血液検査が行われます。

 この他、癌以外にも血圧、体重、コレステロール値など検査が健診に含まれます。それらも健康について重要な情報を与えてくれますので検査結果を主治医と相談してください。大切なのは、健康であると思っていても、年に一度は健診を受けることです。それではまだ。

2014年11月3日 月曜日 21:49

怒りの話

 誰でも怒ったことのない人などいないと思いますが、どうでしょうか。怒りというのは人間にとっては生まれ持った感情の一部であるでけでなく、ある意味、生存するためには不可欠ものともいえるかもしれません。怒ることが悪いという意見もありますが、怒ること自体に人間の品性を見い出すことは難しいです。しかし、怒る理油、そして、その怒りの対象となるものが何かを考える時、ある程度、その人の品性も判断できるかもしれません。医学的には怒りに限らず、感情の表現があらゆる面で健康に関係するものであると研究を重ねる上で理解されてきています。

 さて、医学的に怒りの感情はどのような形で私たちの身体に影響を及ぼすのでしょうか。まず、それは血圧を高くします。運動すると激しい動きに対応できるように、血圧が高くなりますが、それに似ています。ただ、怒りの場合は激しい運動がこれから起こると体が想定して、運動する前から高くなるので、血管や心臓に大きな負担となります。しかし、その感情がもたらす瞬発力というのはとても大きく、普通では考えられないような行動を可能にする場合もしばしばです。しかし、突然、体が準備もせずの状態に起こる出来事なので、それが繰り返されますと、必ず、筋肉や血管などの臓器を破壊します。そして怒りの感情が継続しますと、エンドルフィンをだすことが出来ず、破壊された細胞や臓器の再生を妨げます。実に、怒りが原因で脳梗塞を起こしたり、心臓が不整脈をになったり、心臓麻痺で心臓が止まる時もあります。そのような、大事にならなくても、体中の臓器に負担となっております。怒りのもう一つ怖いところは、感情のコントロールが利かなくなり、通常では考えられないような、または後悔するような判断をしてしまうことです。これにより、自分を傷つけるだけでなく、命まで失ってしまったり、人を傷つけてしまうことです。

 前述したように、怒りは大切な感情の一部です。私たちの責任はそれをどのようにコントロールし、有効的使うかですね。いくつかのお勧めをリストにしてみます。1)怒りの対象について、気持ちが落ち着いている時によく考え、次回は怒る価値があるかを考える。2)自分の判断を劣らせる薬、お酒、過労などの関係をよく考え改める。3)怒るべきと思われる状態でどのような言葉、行動が、怒りの対象、自分、またその周りの人々に対して一番効果的かを考える。4)必要であれば心理学士などのカウンセリングを受ける。

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プロフィール

Dr. Yutaka Niihara(新原豊), MD, MPH

1959年生まれ。東京都出身。
ロマ・リンダ大学宗教学科卒、同大学医学部卒。
ハーバード大学公衆衛生学修士卒。
Emmaus Life Sciences, Inc. President and CEO
UCLA 医学部教授(University of California, Los Angeles Harbor-UCLA Medical Center)

エマウス・メディカル・ジャパン株式会社

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